国会エネルギー・原発 集中審議
4月5日国会で福島原発に伴う、エネルギー・原発 集中審議が行われた。審議の途中でまた、冷却水の停止のニュースが入り、騒然とした。この原因がネズミの侵入を防ぐために取り付けた金網の接触と言うから、本当にお粗末な電力会社だ。こんな低レベルなことは家庭でもめったにない。いくつか論点の中で、理解できたこと。1、国会の事故調査委員会がこの事故を調査したのだが、事故原因はまだ解明されていない部分がある。2、この国会事故調査において、東京電力の妨害があったのではないかという点は、東電の調査では担当部長の間違えとなっているが、確定はされない。3、政府としては事故は今だ終息していないという認識である。4、規制委員会の規制基準が7月にはできるが、まだ内容的に問題があるということ。5、被曝の健康被害については、今後の対応を含めて相変わらず曖昧であること。6、損害賠償については時効を設けず、法律を変えても行う方向。7、事故対応に落ち度が何点かあったことが明らかになってきたこと。8、今後のエネルギー政策については、様子見でもう一つ明確なものはないこと。
廣瀬直己(東京電力 代表執行役社長)田中三彦(元国会事故調 委員)田中俊一(原子力規制委員会 委員長)森本英香(原子力規制庁 次長)が意見を求められた。事故原因がいまだ解明されていない。津波による電源喪失から冷却能力が失われたために起きたと決められない。想定以上の地震の揺れで、配管やその継ぎ目が壊れた可能性も否定できない。この認識は政府も持っている。引き続き事故調査をやるとのこと。解散した国会事故調はどうなるのだろう。東電の原因調査への非協力な印象は、相変わらずである。廣瀬社長はどこが本音なのかよくわからない。原子炉建屋の調査は同行できない。建屋内部が真っ暗であるという東電部長の虚偽報告があったのだが、これが単純な間違いなのか、意図的なものか。勘違いということになったが、怪しい。この内部調査が、いかにも不自然なもので、田中事故調委員は騙されたと明確に発言していた。何故、田中氏に対して詳しく聴取をしないのかが不思議。
規制委員会の規制基準は世界で最も厳しいものにすると、政府は答弁していたが、内容的にはアメリカのものと比べて、地震に対してかなり緩いものになる見込みという質問があった。アメリカの基準では日本という地震国では設置が出来るような場所がほとんどないに等しいという意見が出ていた。規制委員会からは、きちっとした答弁はなかった。全体には質問者の規制基準の内容の理解が今一つで、聞いていてはっきりしない部分がかなり多かった。答える方も朝から夕方までだから、少しぼーとしていた。汚染水の問題については、全く見通しが無いようだ。こんな水が流れ出ているのでは、海の汚染はとどまるところが無いと思うのだが、海には出ていないと東電の説明。どこへ行くというのだろう。どうも話を聞いていて、東電には原発を管理できるような能力が無い。事にあたって、厳しく本気で対応するという企業倫理が確立されていない。
賠償請求の時でも、社員の方々は一見良い方が多い。人当たりもいいし、紳士である。しかし、肝心のことになるとおかしい。緊急事態には役に立ちにくい人材。社員の意識の中でも事故は起こらないという前提ですべてが出来ている会社。賠償請求にたして、もう会うのもいやだというのが、実際の東電社員の対応である。廣瀬社長が賠償請求に対して丁寧に対応すると、国会で言っているのである。社員が社長のいうことを聞かないということなのか。賠償は東電の様式に従えの主張だけ。こちらの事情など全く考えようともしない。被害者が何故加害者から、様式を決められなければならないのか。被害があったことは認めているのだから、被害を調べるのは東電の側の仕事だ。