微小粒子状物質「PM2.5」
微小粒子状物質「PM2.5」が中国から飛来すると大騒ぎである。特に黄砂の季節になれば、その被害が深刻になる。確かにその通りだと思う。しかし、日本の大気汚染もひどいもので、今の日本の花粉症の大流行の原因はまさに、微小粒子状物質「PM2.5」である。川崎公害訴訟の頃からであるから、もう40年の歴史のあるものだ。やっと中国から飛来するということで、日本人が目覚めたということになる。黒船のようなものだ。中国から来るのは事実であるが、道路の際なら、日本でも同じ状態である。私の素人の測定活動の経験では、道路からの距離は、一定の遮断物でかなり防げるものである。自己防衛すべきだ。私は子供のころから、気管支や肺が弱い。結核にもなったし、肺炎気管支炎は何度もした。そのせいだと思うのだが、大気汚染に関しては、身体が反応する。煙草の煙など、道路ですれ違うだけで、咳き込んでしまう。微小粒子状物質「PM2.5」についても身体は反応してきた。
おかげでと言ったら変なことだが、大気汚染には身体的に敏感に反応してきた。杉花粉は大丈夫だが、微小粒子状物質「PM2.5」はとても良くないという具合だ。上海に行ったときにこれは大変なことだと思った。70年代の日本を思い出すあの匂いだ。長くは到底いられないと思った。中国でも農村の田舎の方に行くと大気汚染はなかった。今の日本も同じで、東京に行くとどうもいけない。この点では、排ガス規制をしろと叫んだ石原都知事を評価する。問題はジーゼル車の排ガスなのだと思う。これも日本ではだいぶ改善されてきたらしいようだが、あいかわらず微小粒子状物質「PM2.5」はかなり高い値のようだ。国は大気中濃度の環境基準を1年平均で1立方メートル当たり15マイクログラム以下、かつ1日平均で同35マイクログラム以下と定めている。まとまった暫定指針値は日平均で同70マイクログラムで、日平均の環境基準の2倍となった。
しかし、小田原の状況はどうなのかと考えても、測定所がない。早急に測定器を設置してもらいたい。大丈夫だろうということだが、そうでもない。私の住む舟原など、相模湾から大気が流れ込んでくる場所である。これが案外に曲者で、丹沢ではブナ枯れの原因と言われている。また、放射能の測定値で高い場所がどういうところかよくわかった。たぶん、PM2,5も放射能と同じような経路で流れ込んでいるはずである。東京の大気汚染が一度東京湾から沖に出て、相模湾を迂回して、小田原に流れ込んでいる。光化学スモック情報は時々出るが、これが出たときには要注意である。ある一定の高さのキウイの葉が一斉に枯れたそうだ。というのも、小田原では大気汚染は連日ではない。自己防衛できる範囲である。自己防御するためにも、測定値はどうしても必要だ。これこそ行政の役割である。
しかし、大気汚染は室内でも起こる。タバコが好例である。タバコを吸えば、PM2,5はすごい値のはずだ。人にも多大な影響を与えているはず。私の好きなたき火もそうだろう。煙というものがそもそも、微粒子である。つまり、PM2,5などと言ってもその実態は全くわかっていない。まず、科学的研究である。何がどういけないのかが分からないまま、対策と言ってもばかげている。黒船が到来するまで、環境対策をしないできたのが日本政府である。昨日あたりは舟原の山はスギ花粉の黄色い煙を上げていた。花粉症についていえば、幸い今までならないできたが、いつなるか分からない。今年のような年に新たな患者が増える可能性もある。今まで気にしたこともなかった。黄色い煙の中で野外作業してきた。それでもならないのは、子供の頃の山の中の暮らしが良かったのではないかと想像している。