完成した生ごみたい肥法
段ボール堆肥法を7年間実践し、試行錯誤してきた。その基本原理は鶏の餌作り法からきている。ついに、その究極的なやり方に到達した。自信を持って誰にでも推奨できる方法である。たぶんこれ以上簡単な方法はないだろう。先入観を取り払うことであった。小田原市の生ごみクラブでは、大勢の人がそれぞれのやり方で挑戦している。奇想天外な、常識ではありえない方法でやる人もいた。なるほど家庭の条件によって、こんなに多様にたい肥作りはあり得るのかと驚いたものである。ちょっとやってみて、段ボールコンポストなどダメだと、簡単に結論付ける人がいる。半可通である。ごみにかかわる人は、思い込みの強い人が多い。一つのやり方で失敗すると、生ごみ堆肥など、不可能だと結論付けることになる。小田原でも過去の経験者は、今回の生ごみの活動を鼻で笑っていた。やろうともしない。農業者でも、そんな小さな箱で良いたい肥ができるわけがないと主張する人もいた。それはやり方が悪かったからなのだ。
生ごみたい肥方法を考える上での条件
1、簡単にできなければならない。
2、スペースをとらないもの。
3、お金がかかるものではだめ。
4、一度設置すれば、数年は使えるもの。
5、できたたい肥が家庭で使う適量であること。
6、匂いや虫が出ないものでなければだめ。
7、誰でも、身近で手に入る材料であること。
以上の7つの課題をクリアーした方法でなければ、開発する意味がない。
・・・・完成した発泡スティロール2箱法・・・・
○ふたのある発泡スティロール箱を2個使う。大きさは30から40センチ角程度。
○必要な材料は、毎日一つかみの20グラムの米糠だけである。
○箱に新聞紙を敷き、生ごみを広げて米糠をひとつかみかけて乾かす。これはやらないでもいい。
○流しにざるを置いて、水切りをやってもいい。これもやらないでもいい。
○置く場所は陽の当たる風通しの良いところがよい。日陰でもできる。
○少し乾いてきた生ごみを空の箱に、バラバラとあける。ここに米糠をかけて、箱を振って米糠をまぶす。
○その上から、昨日の生ごみ堆肥をあける。
○翌日、もう一つの箱に生ごみを、入れるて2日分になる。
○匂いが気になる人は、箱のふたを完全に閉めて置く。
○面倒だと思う人や技術を獲得した人は、生ごみの乾燥をしないでもよい。
○こうして、箱ごと毎日移し替えて、空気を入れてゆく。
○1週間ほどすれば、箱の中のごみは60度を超える熱を持つようになる。
○そうなれば、ごみはあまり増えることがなくなる。
○中の水分が多すぎ場合は、蓋をしないでおく。
○虫が出ることを避けたい人は、布で覆いをぴったりとする。
○箱が重くなってきたら、堆肥を取りだして熟成に回す。
○箱をビニールで覆う場合、布で覆う場合、蓋をする場合を使い分ける。
○ほぼ永遠に堆肥化が続く。
以上が到達した最も簡単な生ごみたい肥法である。
欠点は、最大で10キログラム程度の重さになる。箱ごともう一つの箱に、空けられないお年寄りもいる。そこまで量が増えない1ヵ月後に半分たい肥として取り出して減らしてしまえばいい。
虫は出る可能性がある。しかし、60度以上に熱がときどき出ていれば、虫の出る確率はかなり減る。
出たらそこで終わりにして、ビニールに入れて熟成さえてしまう。土壌には問題がない。新しくまた再開する方が簡単でいい。
この方法は生ごみからたい肥へ移行過程を体得するまで、技術的経験を積まなければならない。おいしい漬物を作るのに、コツが必要なことと同じである。昔の人なら普通にできたことだと思う。現代人に一番不足している、生活術である。
昨日の自給作業:じゃいも畑の起こし作業4時間。 累計時間:4時間