企業献金の禁止
確か企業献金の禁止は民主党の選挙公約であったはずだ。どうもこっちの看板も外すらしい。法人税の5%減税は決定したようだ。民主党はいったいどうしてしまったのだろう。民主党を作っている人たちも政治を志し、野党の党員になり、晴れて政権を取るところまでこぎつけた。色々な人はいるのだろうが、それなりの夢や希望があって議員になったのだろう。そして政権党になり、大いに力を発揮しようという段になって、次々に看板の掛け替えである。中でも、企業献金の容認はひどすぎないか。倫理観とか、理想とか、政治哲学が、現実に敗れたという姿。自民党は正義は言わなかった。今の民主党は建前を口にするだけに腹立たしい。そうなってしまう理由が知りたい。政権党になってみると、批判勢力の時代に想像していた状況と違う。そういうことはあるだろう。高速道路の無料化とか、子供手当とか、高校の無償化。そんなことはどう転んでも構いやしない。
しかし、企業献金の禁止は政治哲学の方角が違う。自分たちの政党の運営資金の問題である。野党時代は政権の自民党に比べて、企業献金が集まらなかった。だからやめようと看板を掲げた。ところが、今度は政権党になったとたんトーンが変わってきた。集まるかも知れなくなったからだろう。これこそ金権体質で、小沢国会招致どころではない。これほどはっきりと豹変して恥じない政党というのは、選挙民をなめているとしか思えない。次の選挙ではひどい凋落になるだろう。全国には寄らば大樹で民主党に鞍替えした市会議員も多い。選挙に有利と考えてのことだろう。今に至って、大いに焦っていることだろう。民主党離れが起きている。民主党議員は落選する。隠れ民主党も併せて落選させる必要がある。民主主義というのは、そういうものだと思う。国民との約束を破れば、その反動が来ることを思い知らせないといけない。
企業献金の解除の見返りが、法人税減税の5%である。法人税が高いから企業が海外に行く。本社をシンガポールあたりの置くのだろうか。テニスのビョルン・ボルグ選手がスゥエーデンから、モナコに国籍を移したことがある。果たしてそうした発想の人が上手く行くだろうか。企業も同じである。法人税程度で、海外に行くような企業倫理であれば、それなりの末路となるだろう。法人税5%の減税程度で、海外がら企業誘致が出来るはずもない。管総理の、「企業が海外に行って雇用が失われる。」これは法人税の見当違いな解釈である。この状況で減税をしようという根拠は、企業献金を集めたいからだ。もしそうでないなら、まず、公約通り企業献金を禁止から行う。この時期、来年度の予算を練り上げなければならない。同時に、税制の大きな検討を行うことになっている。すべてをごまかすために、小澤を唐突に持ち出して、目くらましである。愚かな報道はお先棒を担いでいる。
困るのは、取って代わるのが自民党ということだ。この際、みんなの党もにわかづくりで相当に怪しいが、自民党に戻るよりはましではないかという、低レベルの選択しかまっていない。いくらかでも自民党内に良識のある人間が存在するなら。日本農業に対する政策を示してもらいたい。それが政治の役割ではないか。自民党に戻れば、またあの農業をめちゃくちゃにしてしまった政治に戻るのだろうか。こういう不安ばかりである。重要なことは政策である。政策同士を戦わせる選挙にしなければだめだ。選挙民も政策で選ぶのでなければならない。明るい日本とか、豊かな国づくりとか。そんなことではだめだ。とことん議論のできる政治家を育てる必要がある。その意味でインターネットの役割は大きいはずである。そういえば、インターネット選挙の解禁も止めたようだ。