桜の花漬け
昨年一年をかけて、一つ下の集落の欠ノ上に畑や田んぼを7反ぐらい、耕作する事になった。中心に活動されているのは、あしがら水土考をかかれているIさんである。(こういうとき名前を書いてはいけないのが、ルールのようで難しい。)おととい、ユンボを練習するというので、養鶏場の下の畑で一緒に作業をした。一時間もすると、何とか様になってしまった。しかし、何もユンボを使わなくてもトラックターで耕せば大丈夫で、むしろユンボで土を掘り返したほうが良くない。前からそう考えていたので、ユンボは私の養鶏場で練習してもらい、トラックターで耕してみた。想像通りみかんの根はほとんど問題なく耕せた。ユンボを貸してくれたホダさんは、ちょっと心配で見に来た。その頃はもうIさんは上手に乗りこなしていたので、安心したと思う。もう少し練習して、免許を取りに行くことになった。
ホダさんがその帰り際、「欠ノ上の桜の花は今日明日が、摘み時だ。桜の花の漬物は花1キロに、塩200グラム。梅酢200ccと言われた。」これを聞いたとたん、これがIさんの特徴で、直ぐに明日摘もうと言う発案になった。当日は雨の予報。雨でも何でもやってみる。これだけで掲示板に出して2人だけでも行う事にした。それでも、びっくりすることに雨の中参加者は7人も居た。Iさんや私のような馬鹿げた人間が案外に居る。この辺が農家の方とだいぶ違う所だろう。コンテナ3杯を摘むころには、すっかり体が冷えていた。1時に初めて、3時だった。直ぐ持ち帰って塩漬けにした。コンテナ3つで、9キロ。濡れたぶんを引いて、8キロと言う事にした。素晴しい、Iさんの木樽に漬け込んだ。それが終わったのが、6時近かった。
山菜つみなどもそうなのだが、採るときに漬ける下準備をしろ、これがおばあさんがいつも言っていた事だ。山で下ごしらえまでする。食べれる所意外ははずしながらとる。土筆でも山で袴をはずして来いという。一種類だけ摘んで混ぜない。。そうすればいいものしかとらない、とり過ぎない。里江はこれが良く出来る。と私の母の事をこのことでは格別褒めていた。おばあさんにしては、こう言う事が出来れば後の事などさしたることはないと考えていた。桜の花が8キロ。塩が1.6キロ。洗って水を切り、丁寧に塩を混ぜながた。重石を16キロ。一晩漬ける。今日の2時から、水の上がった桜の花を梅酢2800ccに漬ける。漬けて1週間ほどで出来上がりと言うから、案外に簡単なものである。ようは手塩にかける手間暇である。
何故、こんなに急に思い立ったかと言えば、北海道の新得に協働学舎という所があり、これをやられている宮島さんとIさんは知り合いである。チーズに遣う桜の花の話があり、これを届けようと言う話が前からあった。神田日照美術館に行くなら、そばだから訪ねたいと話していた。購入する桜の花は色止めに明礬を使うらしい。これがチーズの発酵に良くない。そこで、塩と梅酢だけの桜の花が欲しいと言われていたらしい。桜の花が小田原の産物である事は、全国的に知られている。案外な事で梅酢と結びついての事なのかもしれない。桜の花を摘むのも手間仕事で、こういう作業を丁寧に根気良くする。これを作業所などの、仕事にできるのではないか。こんな事を将来的に考えている。その第一歩にしようというのが、今回の桜花漬けである。
昨日の自給作業:自給半分で2時間 累計時間:19時間