白州法律事務所
白州に新しく事務所を開設された梶山弁護士をお訪ねした。梶山氏に最初にお会いしたのは青学で行われた「杜のシンポジューム」の分科会だった。その頃、第2東名の反対運動で、法律に期待できないかと考えて参加していた。梶山氏から、「法律は何の頼りにもなりません。住民運動を起こす以外ないです。」こうきっぱりといわれた。弁護士が法律を全く役に立たないといわれるので、かえって興味を持った。あの時点で、第2東名の建設を止めていればと思うと今でも残念である。住民運動の立ち上げに、力が足りなかった。法律も役に立たなかった。白州事務所の開設に絵をお持ちしたいと思っていた。都会の事務所では敷居が高く、私の絵でもないのだが、白州の方に引退するはずだと聞いていたので、少し、仕事の仕方も変わるのではないかと。やはり引退ではなかった。何しろ、3時間しか睡眠しないほど、忙しくされていた。
小田原のごみ処理広域化についてのご意見を聞きたかった。私の概算では、広域化をしたら、費用がかさんで大変だと思える。しかし、加藤市長の答弁では、曖昧にであるが、広域化すれば費用は軽減できるから広域化を進める。と言われているように取れる。私の概算がおかしいのか、行政の試算がおかしいのか。その辺を確かめる手法の確認をしたかった。結論として、「両者を同じ会計手法でやってみる。」これしかない。と言う事であった。行政の言う、「広域化すれば経費が安くなる。」の現在の唯一の根拠は「三つの焼却炉を作るより、1つの焼却炉を作るほうが安い。」ここにある。その他の費用は一切見ていないでの、あまりにもれ漏れの試算に過ぎない。この言い方で言えば、「新しいものなど作らず、小田原の焼却炉を直し直し使えば、一番安い。」当然の事だ。直しながら使えば、まだまだ充分に使える。今やることは、焼却炉の徹底調査である。どこをどう直せば、どれくらい使えるかである。
広域化を大前提とする、国の方針は民主党政権で変わるはずだ。国の補助金・交付金行政は変わる。地方の自主的な判断でお金を使うように必ずなる。とにかくお金が足りないのだ。「コンクリートから人へで。」コンクリートの箱を作る公共事業による景気浮揚策が、既に破綻している。広域化と溶融炉の発想は、造船会社や製鉄会社の救済である。溶融炉の正当性を主張するために、ダイオキシンを取り立てて騒ぎにした。溶融炉の生成する未知の化学物質は、ダイオキシン以上の危険が想定できる。あらゆる物をまぜこぜにして、今までにない高温で長時間徹底焼却する。ここで起きている事が尋常でないのは、普通の生活感覚なら分かる。御用学者にごまかされてはいけない。ごみは出来るだけ燃やさない。ごみはできるだけ小さく処理する。ごみになるものは作らない。生ごみを燃やす費用は、1キロ30円を超えていることが見えてきた。これを明確にしたのは、佐々木市会議員の度重なる、本会議質問の結果である。今まで、1キロ10円程度であろうと行政は本気で考えていた。ごみ処理経費は複雑で、正確な会計処理がないと、何も見えない。1キロ30円を節約するために、市民が市民の行動の範囲でどれだけの事が出来るか。これには、ごみを減らした市民に、応分の費用が「返される、仕組み。」が必要である。笹村農鶏園の鶏は年間1羽77キロのごみになるものを食べる。2310円の貢献である。年10万円ぐらいは貰ってもいいはずだ。
梶山弁護士の事であった。弁護士と言うより、先ずもって人間として怪物である。厳しい方である。どんな寒い時でもシャツ一枚である。裁判所にでも、ザックに書類をつめて現れる。登山家であるので、訓練なのかもしれない。加藤文太郎ではないが、単独行の人だと思う。甲斐駒ヶ岳を正面にした事務所である。伺った時は家を作っていた。事務所はもう出来ているのだけれど。もう一棟自分で建てている。地下室には、大量の酒瓶が並んでいた。3時間しか寝ないで、全国のごみ問題の先頭を切って戦い続けて。セルフビルドの家を建てて。甲斐駒にも登って。やはり、すごい人間とたまには会った方がいい。ぼやぼやしている自分の事が良く分かる。こんな所で、あきらめていられないなと目が覚める。