中国からの農業視察

   

中国から農業視察に見える。二度伺ったことのある、江蘇省鎮江市の包容市からみえる。鎮江市に伺って、発酵利用の自然養鶏について、話しをし、現地の養鶏を見せていただいたのだが、私の実際の所を見てもらわないといけないと言う話をしていた。それが急に実現する事になった。包容市の市長さんを団長にした、行政の方と研究者を含めた、13名の訪日団である。1週間かけて、日本の農業をあちこち回るのだそうだ。日本では考えられない、すばやさと真剣さがある。少しでも参考になりたいと思う。小田原を一日掛けて見ていただく。大きな目的は、「小田原地域における農産物の流通と地域の農業者の関係について」と言う事である。三つの流れを考えた。一つは、新規就農者を中心にした宅配事業、「あしがら農の会」 二つ目は、精鋭農家を核ににした「小田原産直組合・ジョイファーム」 3つめは、西湘農協の「朝ドレファーミー」

あしがら農の会の「宅配の方式」は最も素朴でありながら、最先端の方式である。中国では知られているかどうか。世界語に成りつつある「提携・テイケイ」である。消費者が生産者の暮らしを支える形で、安心・安全な農産物を流通させる。個々の農業者は独立して経営しているのだが、ゆるやかな連携をとりながら、大きな輪を形成している。出荷している生産者が、10名くらい。その回りに市民的自給農業者が200人。さらにその回りに、消費者が多分300名くらい。

「小田原産直組合・ジュイファーム」は小田原でも農業を企業として経営してゆく農業者を核とした、精鋭農業者の集団である。ずば抜けた農業業技術を駆使しながら、有機農業を実践されている。本物の農家が、経営を考えながら、有機農業を志したら、どんな物になるのかを見せてくれている。キューイ・菜花を作っている。首都圏の生協に農産物を出荷している。農家としての経営規模が大きく、出荷量も大きい。生協の組合員との、はたけ・たんぼ・果樹の学校と言う形で、農業体験も行っている。

「朝ドレファーミー」はJAの作った地場の産直販売所である。とても繁昌している。今日本全国に展開している、大きな潮流である。秦野のじばさんずや寒川 ファーマーズマーケットわいわい市と同様の展開をしている。とても賑わっている。小田原の農業を変えてゆく可能性を秘めている。多分、中国の視察団には興味深い所であろう。中国は朝市の国である。早朝から路上や、ちょとした広場にすごい量の露天が立ち並んでいる。行政としてはどのように展開してゆくか。考えているのではないだろうか。

急遽、小田原有機の里づくり協議会や農政課にお願いをした。あり難い事に皆さんが協力的に対応くださり、小田原の地域農業の流通の三つの形が、何とかお伝えできそうである。この視察のきっかけになった、「笹村農鶏園」の発酵利用の自然養鶏も見ていただく。小さな養鶏場ではあるが、これこそが農家の可能性だと考えている。それは中国にとっても同じことだと考えている。農業の近代化と言う経済至上主義。農業の工場化ともいえる、人間の暮らしから離れた生産方式。この方向が生み出した豊かさと、この方向で失った人間らしい循環してゆく暮らし。人間が何を求める行く事が、目標であるのか。このことをお伝えしたいと思っている。私は中国の方なら判ってくれる。まだ間にあうと言う感じがしている。鎮江市は阿倍仲麻呂が暮らした街である。道元禅師も学んだ町である。鑑真和上も鎮江市から日本に渡ったのだ。

昨日の自給作業:菜花の種蒔き1時間30分 累計時間:累計時間17時間

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