鳩山政権の1ヶ月

   

民主党政権での初めての国会が始まり、鳩山首相の所信表明演説が行われた。聞いている時間もなく、ニュースで部分的に言われている事しかわからないが。予想通りというか、鳩山首相らしい熱意のある、友愛的な演説であったようだ。当然具体性に乏しいと言われるだろう。その通りの報道である。「理念先行、見えぬ具体像」と言うのが見出しかな。気になるのが、献金偽装問題からの足のすくい方。「今はやらせて見ろよ。」と言うのが気分。献金偽装が良い訳はないが、日本は総選挙で、献金で問題があるやも知れない、鳩山代表の民主党を選択し、チェンジをしようとしているところである。100年に一度だと言う事になっている世界の難局に、鳩山体制で打開しようというところだ。ともかくやってもらう以外にない。やりもしないうちから、選挙をやり直せと言う人が居たが、やり直して出てくる政党も政治家もにたような顔ぶれだ。ともかく落ち着いてやってもらってからの話ではないか。

アジア重視アメリカ離れ。この点が評価できる。アジア重視も日本が中心のアジアではなく、中国中心の展開。この点でも評価できる。アメリカ人の味覚音痴の話で、私が「アメリカを悪くばかり言う。」と先日友人から言われた。そのとおりである。アメリカが日本を占領し、日本の方向を捻じ曲げたと考えている。確かに明治以降の天皇中心の富国強兵は馬鹿げていた。しかしその馬鹿げた道を歩ませたのも、欧米の帝国主義モデルだと思う。鎖国していた日本を無理やりこじ開けたのもアメリカではないか。例えば普天間移転問題で、アメリカ政府は日本に脅しをかけている。脅かせば何とでも成るという傲慢がアメリカにはある。これが核の傘理論だ。岡田氏はアメリカに原子爆弾の先制使用をしないことを宣言させるそうだ。まさかそんなことをアメリカが受け入れる訳がない。

政権が交代したときが、国際関係を変えられる少ない機会になる。確かに国際関係は継続性が、信用に繋がる。普天間移転に対し自民党とアメリカの約束はあっただろう。しかし、その約束に対し、「おかしい」と突きつけたのが選挙結果である。それを無視するのでは、民主主義ではない。アメリカ・プロレスでは、あいかわらずミスターフジやらヨコヅナが日の丸を掲げ、敵役である。64年の同盟関係にもかかわらず、北朝鮮の国防訓練の子供たちと似たような茶番が、アメリカ・プロレスではある。どこの国にだってあることだとは言い切れない、アメリカの正義のゆがみ。イラク、アフガニスタン、と軍事的占領政策。アルカイダ。テロ国家と決め付けていても、何も解決は出来ない。力での抑え込みは、何度繰り返しても変わらない。イラクのかかえる、民族問題、宗派問題、チトー大統領の独裁的政治の間問題が表面化しなかった、ユーゴスラビア。国際紛争は一筋縄ではいかない。

鳩山政権はいよいよ予算編成である。日本農業をどうするのか。この方向は予算編成に現れるはずだ。その前に、急遽あの分かりにくい、「事業仕分け」を行おうとして、小沢氏の待ったがかかった。新人ではだめだと言う事らしい。想像するに仕分けと言う意味をよく理解できないのだろう。仕分けと言う言葉がまことに悪い。最初にこういう言葉を命名した人間のセンスを疑う。熟達政治家なら良い事業仕分けが出来るという物でもない。案外素人の方が良い場合もある。プロの政治家より、素人の方がまともな生活者である。素朴であることはここではむしろ評価される。事業仕分けをネット中継する必要がある。仕分け作業を公開し、記録すると言う事が重要である。小沢氏を仕分け人にして、どんな発言をするか、新人議員より増しなのか、是否見たいものだ。

 - Peace Cafe