ごみ焼却施設のごみ不足
県と横浜、川崎両市の第三セクター「かながわ廃棄物処理事業団」が2010年度までに破たんする恐れがある。とする県の包括外部監査の指摘を受けまとめられた経営計画案が、川崎市議会環境委員会で報告された。ピークだった02年度の搬入量は約5万2千トンだったが、07年度は約3万8千トンと減らしている。産廃処分の思わぬ出費として足かせになっているのが焼却炉の故障。廃プラスチックなどの焼却で炉が高温に耐えられず、05年度から炉の緊急停止が百回以上を数える。07年度は149回に達し、安定稼働をさせるため修繕費を毎年数億円かけなければならない。
このことは、小田原の広域ごみ処理計画でも、深刻に考えなければならない。現在の実施計画はごみが減らない前提で作られている。ごみは人口が減れば減少する。構成年齢が老齢化するに従い減少する。分別が進すめば減少する。産業が循環型になれば減少する。リサイクルリユースが進めば減少する。生ごみ選定枝の堆肥化が進めば減少する。市民の意識が変われば減少する。
小田原市の予測では、1市3町の15年度のごみ量が13万トンであるが平成30年に12万トンに成ると予想している。これはいかにも多すぎる。人口減少要素以外は見ていない数字である。しかも人口減少も数字の通り、1市3町の15年度の人口が249千人、30年度が243千人が行政の予測である。いかに行政の予測が甘いかがわかる。20万人を切るだろうと言うのが現実である。老齢化が進めばごみ量は減少する。剪定枝や生ごみはごみの45%を占めている。これを何時までも燃やしている訳にも行かない。今後減少が進むのが社会の方向になる。紙や布類のリサイクルも進むに違いない。であれば、ごみは減らないとする根拠はどこにあるのか。不思議でならない。名古屋市の例で見るようにごみは処理が行き詰れば減る。安全値を見て大きめの焼却炉を作ることは、少しも賢いやり方ではない。大きい物を作れば、川崎のように財政的に破綻する。ごみが足りなければ連続燃焼もできない。
川崎の例ではプラスチックごみの焼却がいかに焼却炉を傷めるかを表わしている。今後プラステック類の混合焼却を行う、東京都では深刻な事態が予測される。焼却炉の耐用年数は大切に使うか、いい加減に使うかで、倍も違っている。関西では耐用年数を十数年過ぎても、問題なく利用されている炉が幾らでもある。耐用年数については、専門家や焼却に当たっている人達の意見を良く聞いて、本当の所を探るのが実際的である。ただメーカーの耐用年数で決め付けてしまう物ではない。それは自動車などと同じだ。今後財政は大変な時代を迎える。一年でも長く使うことが前提となるべきだろう。生ごみ剪定枝の100%の堆肥化は困難であるとしても、現状の半分を堆肥化するぐらいは、そう困難な課題ではない。社会的にも目指さなければいけないことである。それだけで、ごみは25%は減少する。
総合的に鑑みれば、ごみ量のH30年予測は8万トン程度を目標にすべきだろう。大は小を兼ねないのが、焼却炉だ。日量320トンこれは現在の小田原市の焼却炉が450トンだから、相当小さい物でいいという事に成る。小田原評定である。今まで小田原では広域の検討を伸ばしてきた。その結果ごみを取り巻く社会の変化が表れ始めている。人口の変化も見えてきた。これからも少しでも先に延ばすことが一番いい判断が出来ると言う事になる。その時間稼ぎの間に、生ごみ剪定枝の堆肥化の道筋を検討して行くことだろう。実験はすぐにでも始めなければならない。方法としては生ごみ剪定枝を出さない宣言をした家には、なんらかの恩恵を与える。例えば特別ゴミ袋の配布はどうだろうか。小田原市民の誇りになるだろう。生ごみは入れません袋は市民全体にごみに対する意識を変えるかもしれない。
もう一つは隣接市町村との、災害時や、故障時、一時的なごみの増加時などの対応を、互恵的約束を交わす必要がある。
昨日の自給作業:片付け1時間 累計時間:37時間