小田原駅西口
小田原駅には西口と東口があり、それぞれに駅前ロータリーがある。これが感覚として、海側が南、山側が北で、どうしても南口と北口としか思えない。東西と言えば関西に近い方が西口かと頭で想像して、間違って教えてしまったこともある。何故か海の方が南と言う、私の方位感覚がおかしいのだろう。東西通路が出来たり、それぞれのロータリーが直されたりした。西口には北条早雲の大きな銅像がある。高さも台座が3メートル、その上に銅像が4メートルはありそうだ。馬に乗った武将姿だが、足元には牛の角に松明が付いる。鹿もいる。この辺りの構造が大変複雑で、不思議な銅像だ。裸婦像や訳のわからない抽象彫刻のつもりの、いい加減な塊などが、置かれているよりよほどいい。ついでながら、東口はお決まりの二宮尊徳像。東西通路の上には、誰が制作したか名前も書きたくないような、本当に見苦しい陶板画のレリーフ。何故こんなに色が悪いのだろう。埃だか汚れだとお思いだろうが、最初からこの色だ。
西口のロータリーの事だ。ここを利用すると小田原と言う所は市民を大切にしていないという事が、良く現れている。タクシー会社とバス会社と、ここまで送迎する旅館の車。一体一般市民はどう利用したら良いのだろう。小沢前市長は議会質問でこう答えている。「西口駅前広場の整備につきましては、限られたスペースの中でさまざまな広場利用者の安全かつ円滑な動線を確保することになりますために、神奈川県警察本部、広場管理者でありますJR東海、そしてバス・タクシー会社等々関係機関との協議を経まして決定したものでございます。そういうことで、全部の関係者に対して全部がOKというわけにはなかなかいかないという側面もございまして、今回のような形になりました。広場利用者に対しましては、よりわかりやすい交通標識の設置や路面表示等を行うとともに、広報活動などを通じ、できるだけ混乱が生じないよう努めてまいりたいと考えているところでございまして、御理解を賜りたいと思います。」
タクシー会社が一番優先されている。かなりのスペースで客待ちをしている。客が少ないから、いよいよスペースをあふれるようにならざる得ない。そして団体客のバスの集合が何とか可能になっている。しかし始めての人には、たどり着くのは困難な迷路の先だ。さらに、一般の車はぐるぐる回って、一番遠くで止められるとはいえ、出てゆくのも入るのも、知らない人には利用不可能な構造だ。一時駐車もできない状態なので、知り合いを迎えにいって、車から離れられない。しかし駅のほうは見えない。人を待つと言う事が極めて困難だ。荷物が沢山ある場合など、嫌になってしまうぐらい、段差と遠回り。結局、搬入の車や送迎車は、違反承知でタクシーに割り込むように、止めては乗り降りする。結局、内側に一列それようの場所が出来てしまった。いかにこれを考えた人が、能力不足の上、市民を無視していたかが判る状況だ。
その結果は西口の閑散とした状況にも反映している。「駅西口地区は、小田原市と神奈川県が、幹部がそれぞれ出まして、共同で策定をいたしました広域交流拠点整備構想の中で、富士箱根伊豆交流圏の情報、観光振興拠点として整備をしていくことが位置づけられているわけであります。」ここでも市民と言う視点がない。一時賑わいが創出できるかと言う、雰囲気はあったが、全体の構想が悪い為だと思う、結局衰退をした。時に使わせてもらうが、三省堂書店は大丈夫なのだろうか。蕎麦屋さん喫茶店はそこそこ入っているようだ。一歩駅から出ると新幹線ビルも今度コンビニが入り口に出来たが、状況は良くないようだ。東口の方は、お城どおり再開発や閉鎖した地下街の事があるが、いずれ全体の構想に市民の視線が無ければ、それぞれの利害が押し合って、おかしな結果となるだけだろう。