アジア農民交流センター

   

アジア農民交流センター総会が小田原であった。根府川の星山コテージだ。そこに割り込むように出かけていった。どうも居心地が悪く。どういう顔をしていればいいのかが、見えないまま、なるたけ目立たないように、静かにしていた。さすが農業の集まりだから、どこかで出会ったような顔がたくさんあった。どんな組み合わせで、農業の集まりがあっても、似たような流れの人がいる。それにしても、山下惣一さんは佐賀から、八重樫さんは北上市から見えた。皆さん大農家の方々のようだから、小田原まで来ていただけたことは、幸運である。八重樫さんは、17町歩の田んぼをやっと終えて、大豆を10町歩植えて、麦を7町歩刈り取りを終えて、それで市会議員もやっていて、それで、小田原にも来てくれたという。確かに農村にはこうしたスーパーマンがいる。山下さんは1町歩が60枚の田んぼをやっているそうだ。

山下さんは、誰でも知る憧れの農民。農業の事を考える上で、とても大切な人。昨日は総会を終えて、朝から、あしがら農の会と交流と言う事で、13人で私の家にお見えになった。舟原田んぼを見ていただき、養鶏場を見ていただき、家に戻り、交流会となった。何をどう交流するのかというのは、全く分からなかったが、あしがら農の会はこう言う事をやってます。というような主張をしたような結果になった。そんなつもりもなかったが、どう交流していいか分からなかったのでこうなった。どうも農の会との交流だけでなく、アジアの農民とも、似たような交流のようだ。私の頭の中には、訳のわからない、もやもやが渦巻いていて、整理もまだ付かないが、何か刺激になった事だけは確かだ。「男と産まれて、一生ただ農業やって、それで終わっていいのか。」山下さんはこの言葉を3回言われた。東城百合子氏に言われた「親孝行しなさいよ。」を思い出した。

いずれの言葉も、その人が重いわけだから、なかなか頭から消えていかない。親孝行出来たかといわれれば、不充分そのものだけど、二人が死ぬまで、一緒に楽しく暮せたのだから、私の方はありがたかったが、親なら不充分とは思わないだろうと思うことにしている。農業やって、それだけでいいか。という方もなかなか、充分と言う事はない。これはこれとして、繰り返してゆく事だけど。世代によって、随分受けとめが、違う。男が付く所が、九州佐賀の御仁。もちろん女性バージョンも聞いたが、確か、人間になった。農業著名人の方々には独特の、傾向がある。ただの農家の親父でいいなら、黙って農業をやっているわけで、それで納まらない何かがあって、全国を歩いている。川口由一氏の講演会は2000円で、300名集まるそうだ。カリスマである。そんな今ひそかに在る、ブームのようなものの話になった。

流行で農業をやられたら、堪らん。そんな、大農家の八重樫氏に何とか感想を聞きたいと思ったが。「皆さん楽しそうでいいですね。」やはり3回ほど言われた。即嫌味で言われているわけではないが。17町歩の田植えをやりきって、小田原まで来て、ちょぼちょぼの手植えの、田んぼなど見せられて、市民が云々がどうあったって、飲み込みにくい話だ。市会議員だから、紳士的ではあった。「冗談じゃーない。」というような言葉が引き出せればと思ったのだが。時間が足りなかった。山下さんはとても正直な方だから、「下らん研修に付き合わされて、堪らん事だと正直思ったが、まぁーそれなりの交流になって、」そう言われて帰られた。私は50年先を考えてみる。今居る人間が全部いなくなった時点から、考えてみる。そうすると、残された時間で、自分がやることが、やれることが、おぼろげに見えてくる。

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