田植え近かづく
4月12日に種蒔きを行い、大切に育ててきた苗がいよいよ、今週15日(日)田植えとなる。9週間の育苗と言う事になる。これは通例よりだいぶ長い育苗だが、例年そうなっている。あくまで自然任せで、64日目に田植え。2ヶ月の苗作りなので、いつもどおりの流れだ。実は例年の田植えサイズから言うと、昨日でもよかった。8週間の育苗を来年は計画しても良い。今年の苗はすんなり育った。この間の天候では、3週目夜から明け方に8度を記録した日があり、これがどう影響するかが一番の心配だった。前後の数日の寒さもあり、生育は停滞した。しかも、このときは保温と、スズメ除けを兼ねた、不織布をはずした後で、早まったかとちょっとこちらの方が寒くなったが、生育停滞程度で済んでよかった。苗つくりはセルトレー方式が、総合的に言えば、ほぼ完成形と言っていいようだ。セルトレーを使うことで、作業日が1日ないし、2日短縮に成った。これが何よりも大きい。
既に終わった田んぼでは、田植えが楽になったという声が出ている。田植えは手植えでやるのだが、みんなが慣れているわけではない。初めての人も必ず居る。と成ると、扱いやすさと言う事が大きいようだ。苗取りが3時間ですんだというのも、今までの2日もかかっていたことから、田植えまでに疲れがたまっていたと言う事もあっただろう。代かきや、畦塗りと重なると言う事で、この集中が少し改善された事は大きい成果だ。問題点で残るのは、苗の苗代から、田んぼまでの移動に苦労した。水管理が今までとは違うと言う事。移動は苗が大きくなって、大変と言う事と、根を崩さず植えたいという、欲張ったためともいえる。しかし、不耕起田んぼに田植えする場合、活着を良くしたいと言う事も、大きな要素に成っているので、当然の問題。各田んぼでセルトレー育苗が出来ないか。これは水の与え方と関連する。水が来ていないのだからしょうがない。水なしで、あるいは水を運んで、雨を貯めて、何か方法はないだろうか。
最初の1ヶ月は雨と運んだ水でも可能だと思う。それほど苗は水を欲しがらない。所が4週を過ぎると、急に水がないと黄ばんでくる。根が水根に代わるとでも言うのだろうか。この辺は何か根拠があるわけではないが、以前やっていた陸苗の経験で、そんな気がしているのだ。そのころは、陸苗というより、直播だった。田植えしたように、尺角に田んぼに籾を撒いていた。このやり方で、3年ほど作った。水がなかなかこないので、何処のタイミングで水がくるかが、ひやひやしどうしの勝負だった。最初の1ヶ月は案外水が少なくても順調に生育する。これなら大丈夫かという所が、3葉期を過ぎた辺りから、水がないと生育が停滞を始める。黄ばんでくる。あぁー根が水を欲しがっている。そんな感じになった。本当の所は判らないが、ここでで水を入れると、生き返ったように、生育を開始する。どんどん色が上がってくる。
今年のセルトレーでも、後半が苦しい感じがした。前半は楽勝。これは田植えを早めないと、と変な心配をした。所が、中盤に入ると、寒さが来た事もあるが、急に生育が遅くなった。並べたセルトレーの位置からも、水の良く入るところが、緑が濃い。同じ苗箱でも、奥の水が届きにくい所に、黄ばみがある。何か、陸苗のほうがいいという気持ちがあり、水があるのにわざわざ辛めに育てていた。ただ大きくすればいいという事でもないから、難しい。もうひとつ戴いた、底穴の大きな苗箱では、確かに苗は良く出来た。所が根がまかない。入れた苗土が無肥料だから、根はほとんどが、苗床の方に行ってしまった。ああ難しい。手植えなら、問題がないが、機械にも使えるようにという、試みは今年も失敗した。