ひめしゃらの湯

   

箱根登山鉄道の塔ノ沢にある「ひめしゃらの湯」に行った。箱根ベコニア園に併設されている。入り口右手に大きなひめしゃらの木がある。この木から命名されたのだろうか。箱根はひめしゃらの群生地もある。実は、このベコニア園はベコニアマニアの間では、相当のレベルの施設として有名なものだ。熱川のバナナ鰐園が、実は蘭のコレクションで、すごいというのと同じだ。今ベコニアは花の時期で、3月中には一度は行こうと思っていた。前回見学に行った時には、ひめしゃらの湯の方は入らなかったし、さして興味も無かったのだから、不思議なものだ。それにしてもベコニアの改良は進んでいる。もう牡丹か芍薬か、というレベルだ。何故人間はこんなことをするのだろう。結局、地味な原種が一番美しいと思うのだが。一通り鑑賞させて頂き、隅に追いやられてセントポーリアがあった。流行が去った感がある。花の流行というのも変なもので、最近はクリスマスローズが流行している。

1、清潔度「3」塩素のにおいが相当にきつい。菌はいないでも残念ながら清潔とは言えない。掃除は一応行き届いているが、さすが山の中、辺りが苔むしてきていて、いまいち清潔感がなくなっている。脱衣所や、入り口付近のごたごた感が、雑然とした感じになっている。

2、泉質「5」なかなか暖まる、重い感触のお湯だ。アワで攪拌された辺りは、とてもいい。しっとりした肌触りだが、肌には刺激が強い方だろう。しばらく入っていると、皮膚にかゆみが出た。箱根の湯は残念ながら、泉質で素晴しいという所にまだであったことはない。東北のお湯と比べる方がいけないのか。

3、環境「6」箱根の山中で悪くはない。太い大木が斜面を埋め尽くしている。樹間越しに見え向かいの山が、霧雨にぬれて美しい。それなのに、6なのはすぐ下の方に、国道1号の数珠繋ぎが見えて、落ち着かないのだ。ひっきりなしに通る車、これが見えないようにしてしまった方が、返っていい。

4、食事「4」無料休憩所と共用食堂になっている。掘りごたつ式の大きなテーブルた並んでいる。横になって寝ている人もいる。ちょっと食べる雰囲気ではなかった。セルフサービスで、値段は普通だが、食べてみていないので、味については判らない。

5、湯船施設充実度「2」2つしか湯船がない。露天と、内湯のみ。これでは緋がいり温泉ファーンには物足りない。ホテルのお風呂レベルである。露天もホテル的に凝った作りではあるのだが、池を作るのと、露天風呂を作るのは違う。ここが残念な所。サウナはない。打たせ湯もない。

6、従業員の対応力「3」説明が不足していて、何処からお風呂に入ればいいか判りにくい。入り口辺りの、お土産屋さんをどうしても通過するようにしているらしいが、3度も行ったりきたりしてしまった。お土産屋さんはなかなかの品揃えで、楽しめる。植物好きなら飽きないものがある。

7、コンセプト「6」べコニヤとひめしゃら、植物園とお風呂の組み合わせはなかなか良い。指宿の熱帯風呂のようにベコニア園の中で風呂には入れたら、最高なのだが。完全な別施設になっているところが、残念。休憩室を温室の方とつなげるとか。何らかの形で、関係付けられないものか。ひめしゃらの30センチもある大木に免じて6点。

8、価格満足度「3」ベコニア園の見学とセットで、1450円のお値ごろ感は人によって全く異なるだろう。ただのお風呂と考えれば少し割高感あり。

9、全体施設「2」全体に施設が小ぶりだ。斜面がきついと言う事もあり、余裕が感じられない。通路とか、ホールとか、休憩室、トイレ、駐車場。いずれ階段か、きつい斜面移動。スペース不足か。中国語、韓国語、英語。出案内が充実しているのは、さすが箱根。

10、アクセス「2」塔ノ沢の駅から歩ける事は歩けるが、坂道だし、かなり不便といえる。箱根湯本から歩くのは、上り坂がきつく。ちょっと大変。ベコニア園のバスが、30分に1本あることはある。

総合点:36点。申し訳ないが低くなった。これはあくまで、私の趣味的な感想で、日帰り温泉を実用的な健康回復施設と、考えての事。観光のついでに、一風呂浴びての考えであれば、全く違う評価になるかもしれない。そういう意味で、箱根湯本も、天山やら、岡田屋、弘法の湯、まだまだどんどん出来ている。日帰りの競争は激しくなっている。また、何処も繁昌している。この先、ただの旅館のお風呂を、開放するという考えだけでは、難しくなるのかもしれない。

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