中国製食品の農薬問題
「生活協同組合連合会 ユーコープ事業連合」(横浜市)が販売する冷凍食品「レンジDEロールソースかつ(アスパラ入り)」(8個入り)から、食品衛生法で定められた基準値を超える有機リン系農薬「ホレート」が検出されたと発表した。
みやぎ生協(仙台市)で回収していた中国・河北省の天洋食品製「CO・OP手作り餃子」の包装材から、新たに猛毒の有機リン系農薬「パラチオン」が1.6PPM、「パラチオンメチル」が1.1PPM検出されたと発表した。
中国製の業務用冷凍肉まんからメタミドホスを検出したと発表した。メタミドホスを検出したのは、中国山東省の「山東仁木食品」が2006年8月2日に製造した「青島ニラ肉焼まん」。ニッキートレーディング(大阪市西淀川区)が輸入した。
餃子での健康被害がでてから、やっと食品の検査が始まり、次々に新たな農薬が検出されている。今まで、平気でこういうものを食べていた。それが日本の情けない食糧事情だ。正直今更の事である。「食は自己責任」食べ物に関して、検査する国が悪い。そんなものを販売する、食品会社が悪い。まして、それを生産してくれている、中国が問題ある。そんな方向にこの問題が摩り替えられるのはよしてほしいものだ。平気で食べてきた。消費者が悪い。メートホープの社長の言うとおりだ。「安いものばかり求める消費者が悪い。」
「食べ物は自分で作るのが、人間の暮し。」それを出来ないから、人様にお願いして、なんとか食べさせてもらっているのが、消費者。食べ物は、どんなに頑張っても食べる量は、倍にはならない。どんなに我慢しても、半分にもならない。どんなに努力しても、倍の生産は出来ない。どんなに急いでも、半分の時間での生産は出来ない。工業製品とは、本質的に違う。品質でも、コストでも、本来同列に並べて、比較するようなものではない。日本政府の政策は、工業製品優先の発想。工業製品輸出のためには、少々食糧生産に障害がでても仕方がない。そういう政策を打ち出してきた。例えば、工業団地のためには、日本全国の優良農地が、無残に潰されている。足柄平野でもアチコチにそうした風景がある。農業は生産性が低いから仕方がない。農業では食べれないのだから仕方がない。こうした諦めを、日本国民に蔓延させた。
小泉内閣では、更に外国に輸出できるような農業生産をしろ。米まで中国に輸出だ。農業も国際競争力だと、繰り返し要求した。馬鹿げた事だ。基本的食料と、余分な一個何千円のりんごとを同列に考える、大雑把なごまかしだ。基本的食料は、輸出入は出来る限り少なくする、これが世界の調和にとても大切な事だ。中国の富裕層の為に、魚沼産のコシヒカリが、輸出される姿が健全とは到底思えない。この逆の事を世界各国で起こしているのが、日本人だ。モーリタニアでタコ漁をして貰い。オーストラリアで、和牛生産。中国では、餃子は当然にしても、肉じゃがまで。「はやい、やすい、うまい」確かにそういうものだけれど。
日本の農業は、相当の危機的状況にある。その一番は生産者だ。素晴しい生産者が居て、何とかここまで維持されてきた。すごい農業者がいたから、滅茶苦茶な政府のやり方を、我慢して、工夫して、ここまでは来た。それでももう限界に来ている。もういなくなる限界だ。次に現われる農業者は、たぶん利益優先の農業者だろう。儲かれば何でもする農業者が現われるだけだろう。それを待ち望んでいる、国の政策であり、消費者の姿だ。食べ物は人間が作る。何処まで行っても、こつこつとやるしかない。生命の愛情が食べ物になる。そうした思いを、断ち切って、裏切って、やってきた結果、もう確かな生産者が居なくなる日が近い。