お茶畑の管理

   

お茶畑に鶏糞撒きを行った。冬の間に一度はやらないと行けない。お茶は窒素肥料が沢山必要なものらしい。以前山北の峰でお茶の自然栽培をやられている方の所を見学した。酒匂川フォーラムで大勢で出かけた。峰よりさらに奥の、山間で一反ばかりやっていた。廻りはすべて山。こういう隣りに畑などないような所じゃないと、迷惑を掛けるからと言われていた。まだ、山北に住んでいた頃だったので、その空気は良く理解できた。田んぼをやろうとしたら、自然農法などでやるなら、廻りに迷惑を掛けるから、水をやらないから構わないと、周辺の田んぼの方からはっきりと言われた。さすがに今はそこまで頑迷な人は珍しくなった。開成町の中野さんと言う方は、周辺に迷惑料を払いながら、自然農法の田んぼをやられてきたと言われた。お茶のことだった。お茶を自然農法でやるには、計算上どのくらいの堆肥がいるかだ。

お茶畑ヶ、木質系のチップで、埋まっているのだ。山北チップと言う会社の顧問だかに、堆肥の専門家の先生がいて、その方が計算してくれてこれだけいれろ。となったのだそうだ。畑の周りにはまだ置いてある。言われたとおり、全部入れたら、お茶が埋もれちゃうので、それで止めたと言う。どう考えても、木質桂のチップは分解するのに、窒素分がいるだろうに、何でこんなおかしなことになっているかは、良く解らなかった。解ったのは慣行農法ではどれほどの窒素科学肥料で、お茶を作っているのかと言う事だ。お茶畑の下の、井戸水を調査すると、明らかに全窒素がドドット現れる。これはみかんだって同じ事で、有機農業の厩肥の水汚染が問題になるが、これなども、科学肥料の変りに、同じ分だけ厩肥を入れれば大変な事になる。

我々の、お茶畑は一年に一度だけ、冬の間に、養鶏場の床を入れる。鶏糞と言っても、いわゆる養鶏場の鶏糞から思えば、鶏糞堆肥の状態だ。鶏糞そのものはない。一度発酵して熱が出た後だから、窒素分は相当に飛んでいる。それを冬の間に一度入れる。春の新芽に影響が出ないくらいが目途かと思う。一反五畝のお茶畑で、800キロぐらいか。実はそれだって入れないでいいという考えはある。お茶畑をはじめて、2,3年経った頃、木が弱ってしまったのだ。それで色々相談したら、窒素不足で黄ばんできたと言う診断だった。それが、間違った判断だった。そうではなくて、科学肥料に依存している、自立力のない根が、枯れてきたのだ。その後、野性的な自然界から肥料を据える根が生える。その間木が弱るのは自然の事だった。

それでも、鶏糞を入れているのは、土の改善がすごく進んだからだ。お茶を剪定した多量の木の枝が、お茶畑には入る。これが毎年重なって、ふかふかの団粒化した良い香りの土なのだ。これはどう考えても悪くない。変な草もぐっと減った。つまり、荒地に生えるような、変な草は見なくなってきた。一度土壌診断をしたら面白いかもしれない。お茶畑の土壌は極端な酸性土壌だそうだ。それがお茶には良いといわれているが。本当はそれでもお茶は枯れないだけだろう。要するに量と消費者の嗜好だ。窒素を増やすと甘味があって美味しいお茶だと消費者が思いこんでいる味に近づく。当然葉の量は増える。しかし、お茶の味は難しい。当然の事だが、私には坊所のお茶ほど美味しいお茶はない。それは、聞けば誰しもそうで、自分の所が美味しいと思っている。幸せなことだ。

昨日の自給作業:お茶畑の鶏糞撒き1時間 累計時間:9時間

 - 自給