日本国憲法の60年
憲法記念日。1947年に制定。60年日本の方向に大きな影響を与えてきた「日本国憲法」現在自民党新憲法案が出され、安倍首相は改憲をその政権の目標として、提案している。どうしても変えたい、点が出てきているのだと思う。憲法は国民が国のあり方を、政府に対して枠組みとして、要請しているものだ。そうした事は前文に、よく示されている。中々立派な前文で、写経を趣味にする人など、むしろ憲法の前文を写すほうが、お奨めだ。この前文も完全に変える。国民が、国のあり方を政府に規定している基本精神を、真逆の国民のあり方、義務を示す物に変えようとしている。
押し付けの憲法だから、変えたいと言う。そんなことを言えば、近代日本の歴史は全てが欧米からの押し付けによって、方向付けられてきた。士農工商などと言う愚かな、枠組みがなくなったり、農地解放が行われたり、日本の民主化は全て押し付けによって、動かされてきた。その外圧という、押し付けを改憲の理由に挙げるぐらい、まともな改憲の理由がないのだ。当然の事で、政府を縛っている国の舵取り法を、自由にさせてくれと、少なくとも、自分たちのやり良いようにさせてくれと言う。国民にとっては義務が増加し、当然やりにくくなる。これを国民投票にかけて、変えられると考えるとすれば、どこかでごまかしをやろうとしている。と考えなくては成らない。
世界情勢はアメリカ1国による世界支配が、進んでいる。それは経済支配と言う形と、軍事支配という両面からだ。この状態は問題はあるにしても、世界の安定には一定の効果が起きている。経済のグローバル化により、国単位の鎖国的独立は不可能になっている。中国が経済的に高度成長を続けることの背景には、世界資本の中国への進出がある。世界資本が有利な投資先を求めて、成長余力の大きな地域に集中する事になる。それはイデオロギーとか、民族的固有文化を凌駕する形で、世界を覆っている。その利権を求める構図が、アメリカによる世界支配の構図だ。その共通の利権者である。日本は、その構図を支える一員としての義務を、要求されている訳だ。日本が中東の石油によってその経済的土台を成り立たせている以上。イラクへの派兵を要求される事は、当然の成り行きだ。
日本国憲法改定に国民投票をやると言う。私はそのこと自体は別に悪いことだとは思わない。国民投票を逆手にとって、改定させなければいい。世界に日本の平和主義を主張し、日本独自の世界平和活動を、展開する出発点にすればいい。憲法の拡大解釈も出来なくなるだろう。アメリカ一国による世界戦略に巻き込まれることなく、日本独自の平和外交を行う良い機会になる。日本人の暮らしが、諸外国の貧しさを土台にしていてはならない。日本の経済進出が、搾取的ではなく、共存的なものに変わるためにも、日本の平和主義の行動を始めなければならない。自衛隊規模の平和協力隊が世界に展開される。大規模災害の緊急救援や、疫病の流行への医療協力など、そのほか、民主的政治運営のための教育活動。軍事力の伴わない平和行動は幾らでもある。アメリカの軍事作戦に巻き込まれない歯止めとして、平和憲法の重要性はこの先、深刻に重要性を増すだろう。