笹鶏:鶏肉出荷

   

鶏肉の出荷が始まった。笹鶏の春に生まれた鶏だ。我が家で鶏を孵化するので、200羽ぐらい孵化するので、100羽近くは毎年出荷することになる。残す事になる、雄鶏は3,4羽だ。毎年、今頃から年末まで、少しづつ集荷している。

普通に売られている鶏肉とは、相当に違う鶏肉だ。世間で売られている地鶏とか言われているものも、大方は、3ヶ月程度の飼育の物だ。私のところでは、9ヶ月から、10ヶ月経った、私自身が最も美味しいと思う時期の物を出している。もちろん自分が食べてしまう物が、一番多くなる。

良く売られている鶏肉には2種ある。ブロイラーといわれる。3ヶ月未満の雛肉。もう一つは、地鶏といわれる。80日以上飼育することを基準とした鶏。いずれも太る為の配合飼料で、ぐんぐん大きくするので、中雛位なのに、1,5キロとかになる。私のところでは、1年飼わなければ、そんな大きさにはなら無い。3年ぐらい飼うと、3キロぐらいの成鶏になる。徐々に大きくなってゆく。どんな鶏種でも本来の鶏の持つ姿を完成せせるのは、3年だ。1年未満は若、と呼ぶ。

何故雛どりを美味しいと感じるようになったのか。多分に文化の問題がある。柔らかいを美味しいと感じるようになった、理由は、食文化の脆弱さを表しているのだと思う。生産の現場から、食が離れるに従い、柔らかい物を好むようになるのではないかと思う。物の実態から離れることほど、食の尊さ、を感ずる心理が働いてきたように思う。

味という物は、実に主観的なものだ。日本人が最も繊細に食べ分けることが出来る、のはお米の味だ。昨日、「さとじまん」の新米を食べた。足柄平野では最近作り始めた奨励品種で、粒張り、収量、栽培の安定、など期待の品種だ。これを、一部ポチ田んぼで試作した。前から楽しみだったので、私たちの農法で作った場合の味を、気にしていた。もし良いなら、坊所田んぼも切り替えようと考えていた。

炊き立てを先ず食べた。モチモチタイプで、淡泊、きれがいい。すいすい食べこめるお米だ。次に冷えた、昨年のお米、古米の「アキニシキ」を食べてみた。何とコクがあることか。お米らしい味わいがある。この「アキニシキ」美味しくないといわれて、売れなくて全国で奨励品種から外れていった品種だ。現在埼玉県のみが奨励品種として、栽培している。ところが、どう考えても「アキニシキ」が美味しい。

味は各人各様だ。夫々だからいい。以前、笹鶏肉がどのレベルの肉なのか、試作してもらう為に、ある著名な料理人にお願いした。ところが、調理できないという。固くて自分のイメージに合わないというのだ。素材に応じるのではなく、自分にあった素材を探すのが、この時代の一流シェフらしい。
笹鶏肉を私が一番美味しいと考える時に出すのは、当然のことだ。これを、燻製にして食べるのが、最高の味だ。そう考えている。みんな、中々手間がかかってやら無いので、今年は、代わりに燻製にしてあげようかと思っている。

飼料が全く違う、育て方が全く違う。結果はどうなるのか。特に鶏肉の専門業者の人いかがでしょう。食べてみたいという人が居れば、どんな物か試してもらいたいので、1羽¥1500円で送ります。

 - 自然養鶏