鳥インフルエンザの新しい展開
鳥インフルエンザの現況について、現在のところ、日本では収まっているとはいえ、インドネシアなどでは相変わらず、蔓延したままの状態が続いている。こうした中、いくつかの情報が出ているので、まとめておきたいと思う。
一つは、人への感染力が強まるウイルスの変異が、当初予測されたような形では、発生が見られないという事。もちろん、安心できる状況ではないのは当然としても、ウイルスの変異の形と言うのは、どうも今までの予測、あるいは学問の範囲では計り知れないものがあると、言うしかない。
以前は、インフルエンザウイルスは、豚に感染し、豚の中で感染を繰り返し、人間に感染しやすいように、変異すると言われていた。最近このことは、何故か言われることが無い。厚生省の発表によると、弱毒のウイルスの感染力は、強毒のものとは比べ物にならないぐらい、強力で、防護服を着ていた人でも感染してしまうほど強いようだ。しかし感染したからと言って、全く人体に異常を及ぼすものではないもののようだ。
もしかしたら、人体の防御システムとして、こうした何の影響も無いウイルスに感染することを通し、手に負えない、強毒化したウイルスに対する免疫力をつけようと言うことかもしれない。自然の摂理からしてありえることだ。
二つ目に、韓国では乳酸菌がトリインフルエンザの感染を弱める、と言う研究発表があった。それで、韓国の製薬会社が、乳酸菌を含んだ、鶏の飼料を開発すると言う事のようだ。これは当然のことで、以前から私が「自然養鶏法」のなかで延べている事だ。自然の有り様を観察すれば、このことはわかる。鶏を自然の中に放して観察すると、彼らの食べるものは、殆ど地中のものだ。腐葉土を食べていることが多いい。特に深く掘り出すところがあり、1メートルも穴を堀、盛んに食べている。私はこれは地中の醗酵したもの、その生成物である酵素、を食べているのだと思った。
これを薬として、乳酸菌だけを取り出し、飼料に添加するのでは、まだまだ不足だ。より自然に近い飼育にしていけば、自然で起きている範囲の事には対応できるように、できているはずである。そうでなければ、赤色野鶏は絶滅していたことになる。
三つ目は、トリインフルエンザに対する耐性のある品種の作出である。日本の種鶏場で行っているようだ。これも、病気があれば、それに強いものと、弱い物がいるのが当然で、自然から隔離しなければ、強いものが病気を克服して、生き残ってゆくのは、自然の姿である。だから、感染したときに全てを淘汰するなど、愚かなことだ。感染した何万羽の中には、生き残る鶏も必ずいるはずだ。これは貴重な鶏だ。私の作出した、笹鶏はこうして、野外毒の中で、選抜淘汰して、作出したものだ。
私が恐れるのは、厚生省や、農水省の単なる無知の為に、例えば、笹鶏にインフルエンザの免疫があったとすれば、判断することなく、即淘汰する、と言う愚かな政策をとっていることだ。この政策がある間は、私は絶対に血液検査をさせない。もし、行政命令ですると言うなら、私は養鶏を止めるつもりだ。これは以前から、宣言してきた。農水が、免疫鶏の淘汰政策を撤回すれば、いつでも検査に応じるのは、当然のことだ。
四つめは渡り鳥による感染はすくないようだ。アメリカに何故渡らないか。やはり人為的に、シベリア鉄道などを通して、感染はヨーロッパ・アフリカに広がったと考えたほうがいい。渡り鳥説は、可能性が低いようだ。