魅力度ランキングなど本気にしては

   

 群馬県知事が、群馬県の魅力度ランキングが下がったというので、訴えてやると記者会見で吠えていた。群馬県民としての気持ちは分からないでは無いが、ネットのランキングに一喜一憂するのは無意味だ。ネットでの人寄せの材料程度の、ランキングが横行している。

 怒るならこの根拠の無いランキングをニュースのネタにして、〇〇県がまた魅力度ランキングの最下位になったなど、時間つぶしのネタに使うようなテレビの報道のほうである。最近のテレビは調査能力がないから、ネットから適当な面白ネタを拾ってきて垂れ流している。まったくテレビ報道の自負心が無い。
 石垣島では連日のように石垣市が11位になったと報道している。一位が札幌市で二位が京都市である。これは行ってみたい場所ランキングというようなものかもしれない。暮らしたい街ランキングならまだ分からないでは無いが、まさか札幌市に暮らしたい人が一位というわけも無いだろう。それなら人口が減るようなことは無い。

 ネットをよく見ている人なら、馬鹿馬鹿しくてそんなことで怒ったりするはずが無い。知事ともなると忙しくて、ネットサーフィンどころでないので、こうしたいい加減なランキングがどれほど適当な作りなのか分からないのだろう。良い方だけうまく利用すれば良いだけのことだ。

 幸せ度ランキングなどと言うと、自分の地域はどのくらいかなどとつい比べる気持ちが湧いてくる。本格的な調査も無いわけではないが、ネットに出回るだいたいのランキングは実体など何の関係も無いような安易な調査である。石垣市の市長がどれほど問題人間かなどランキングには出てこない。

 ついちょっとクリックしてみようかという気持ちを呼び覚ましさえすればいいだけのものだ。企業コマーシャルを入れて、アクセス数を稼いでいるにすぎないものが山ほどある。つい引っかかって、無意味な誘導に乗せられて10以上もあるページを最後までクリックして読んでしまうことがある。

 いったい誰が仕組んでいるのか、購入した子犬が熊だったという話を延々と興味を繋ぐ文章にしてあるだけの無意味なものをついつい二回も読んで仕舞った。結論を書いてしまえば誰も読まないので、いかにも次の展開を読みたくなるように、何なのか、何なのかと読みつなげて行く、書き方はうまい。次のページをクリックさせる技術を競っているのだ。

 最近はまたあれかと思うから引っかからなくなったが。ネットというものは一見おもしろそうな記事を次々とたどってしまうものだ。例えば、円安に関して読み始めると、それに関係するだろう記事に飛べるようになっている。ついついサーフィンになる。

 こういう記事は有料ものが多い。だから、途中でお代を請求されたところで終わる。さらに、無料で読めるものはないか、他をあれこれ探してみる。さらにさらにと、ついつい読みつなげて行く。そのうちなるほどという記事に当たることもある。そうした記事を載せているものをブックマークしておく。

 サーフィンの波をかき分けている内に、興味のありそうなランキングというものが割り込んでくる。多くの人が競べると言うことが好きなのだろう。特に住みやすい街ランキングというものは目立つ。先日読んだと思うのだが、一位だったか、上位に白山市が入っていた。

 白山市は 河内村、吉野谷村、鳥越村、尾口村、 松任市、美川町、鶴来町、白峰村、が合併して出来た新しい市だ。河内村に美術部の友達が住んでいたので、どんな場所だかよく知っている。鳥越村には大学の寮があった。ここに行ってスキーをよくした。

 鶴来の街は独特の雰囲気があって住みたいくらいに好きだった。50年前に歩き回ったことが何度かある。白山神社の独特の杜がいい。最近も懐かしくて行ってみたが、50年前の山の中の街というような賑わいの感じはなくなっていた。

 これらの地域をひとまとめにして白山市と言われてもどうもしっくりこない。魅力度と言われてもどこに焦点を当てているのか混乱してしまう。山村らしい魅力がある。水田地帯の良さがある。当然そう言うのでは無い気がする。人口の増えて都会化した松任や三河の街場の方だけを見ているのだと思う。整った住宅地である。

 群馬県はランキング下位で怒ってしまったらしいが、ランキング下位に関しては上位以上に根拠の乏しいひどいものだ。まったく怒るにあたら無い。それでは上位だけを示せばいいようなものだが、下位グループの方が案外に興味を引くので、下位の方まで発表するのだろう。

 こんなもの誰も本気で読んではいないだろう。作るがわもそこそこの程度の意識である。だけれども、当事者となると別の気持ちで読むことになる可能性がある。魅力度が低いと名指しで言われれば、気分は悪いのは当然のことだ。

 これが魅力のある温泉ランキングで、群馬県の草津温泉が一番になればついつい気分が良くなる。根拠は同じぐらい適当なものであれ、上位に関してはいかにも根拠があるかのように受け入れてしまうのだろう。ところでこの魅力度ランキングで一位だったのは北海道である。

 一帯北海道のどこが一番になるほど魅力があるというのだろうか。私ははっきり群馬県の方が魅力を感じる。北海道は寒くて暮らしにくいナンバーワンかと思う。だから人口減少が大きいのだろう。白山市だってそうだ。ジトジト雪の頃を考えたら、暮らしにくい場所としか思えない。

 日本海側の県が人気が案外にあるが、暮らしたことの無い人の意見に違いない。鳥取とか島根とか、素晴らしいところだとは思うが、暮らすには大変なので人口減少が進んでいると思うのだが。まあ、白山市には友人が多いので悪くは思っていない。第一中川一政美術館がある。

 気にしてつい見ているのは日帰り温泉ランキングである。この二年間は行かなくなってしまったが、絵を描きに言っては日本全国の日帰り温泉に入れて貰った。一日絵を描いて、日帰り温泉に入る。まさに極楽である。あちこちで入れて貰ったが疲れが取れる。石垣島のホテルでも入れてくれるところが、二つあるが、温泉では無い。

 コロナが収まったらば、アトリエカーで全国日帰り温泉巡りの写生旅行をしたい。まず福岡に車を送っておいて、車をと合流して全国の日帰り温泉に立ち寄りながら、絵を描くつもりだ。来年の9月頃なら可能になっているだろうか。

 石垣の田んぼが終わり、水彩人展の前後である。この頃なら小田原の稲刈りでもある。うまく日程が組めれば、是非行きたいものだ。行ける体力がある間に是非とも行きたい。この時には全国日帰り温泉を踏破するつもりだ。そして、オリジナルの日帰り温泉ランキングを発表したい。

 
 

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