赤木ファイルはアベ・菅政権を表している。

石垣の田んぼの入水口。これがある田んぼ圃場整備がされていて、ダムからの水が充分来ることが分かる。これがない田んぼは澤水を使っていると言うことになる。
アベ・菅政権は過去最悪の政権の連続のようだ。その悪事の実態報告となる文章が赤木ファイルである。総理大臣が無理矢理公文書の改ざんをさせたのだ。赤木さんはその実態を残し自死されてしまった。それ以外に選択できる道がないと感じたのだろう。アベ・菅政権の恐ろしさである。
財務大臣たる麻生氏は衆院予算委員会での答弁では「赤木ファイルという定義が意味するところよくわかりません」とも述べ、何を「赤木ファイル」とするかがはっきりしないために探すために時間がかかったとの認識を示した。 こんな人を馬鹿にした話があるだろうか。誰にでも赤木ファイルが「何か」などたちどころに分かるだろう。
たぶん赤木ファイルが公開されたとしても、何も状況は変わらないと思う。財務大臣を始め、関係者の誰もが責任を取ると言うことすら無いのだろう。アベ夫人が関係していたら、政治家を辞めるとした、国会でのアベ総理大臣の言葉の重みなど初めから無かったのだ。政治家というものは実に情けないものだ。
分かりたくないのが文章改ざんの責任者である財務大臣としての麻生氏だろう。麻生氏にしてみれば、総理大臣夫人が碌でもないことをした後始末で、回りにしてみれば良い迷惑だったと言いたいのだ。真面目な赤木さんの気持ちなど、想像も出来ないに違いない。脅かして黙らせようとしたに違いない。黙ってやってればいいのだと言うことになる。
この無神経の恐ろしさがあるから、官僚も政治家も逆らうことが出来ず、忖度をする以外に道がないと考えてしまったのだろう。それほどがんじがらめでたちの悪い、真綿首のアベ独裁政権であった。正義が失われている。ある意味北朝鮮よりもたちの悪い、民主主義の仮面をかぶった独裁なのだと思う。
官僚という競争に勝ち抜いてきた、出世主義者にありがちなの成り上がり思考を巧みに操って、人間性を砕いてしまう。内閣法制局に憲法の拡大解釈をさせ為のやらせ人事。このように政治家として一番大事な憲法すら破壊してしまう。
桜を見る会へ後援者の大量呼び込み、そしてホテルでの接待。国の行事を私物化した事には自覚すらない。河井元法務大臣に、一億5千万円の金権選挙を強制する。自分に逆らった溝手顕正 参議院議員を蹴落とすためである。税金がこんな汚い使われ方をしたのは珍しいことだろう。二階氏は全く知らない話だと突っぱねている。このことも追求されないままである。
全く汚すぎる政権である。ところが国民もいつの間にか牙を抜かれ、忖度にいそしんで桜の会への参加を誇りにしている始末である。あの桜の会での晴れがましい芸能人の笑い顔がその象徴として思い出される。芸能人にしてみれば、日和見芸能人である証のための無料出演。
これが日本階層社会の実態である。覚えめでたければ上層民になれるかもしれない。にらまれれば、下層民に突き落とされるという恐怖による支配である。その汚い手口の番頭が菅総理大臣というアベ後継者なのだろう。
我々庶民とはそもそも関係ないところの話ではあるが、報道に関わる人間でも上昇志向の人間はこの渦の中に巻き込まれて行く。しばらくの間に起きた、報道の劣化は目に余るものがある。怖いのは批判精神を失った報道である。報道が大本営発表になり始めている。この点充分気をつけないとならない。
特に人事で政府から圧力が掛かるNHKの劣化はひどいものがある。NHKのニュースサイトを見ると分かる。政府に都合悪いものは報道されていないものがいくらでもある。例えば、赤木ファイルについての解説は確かにある。麻生大臣の発言にも触れている。ところがそれに対する見解がない。それでどうしたがない。
赤木さんに対する報道機関としての立ち位置が分からない。つまり視点がない。追及しない報道では、真実に至ることが出来ない。これがNHKの劣化である。報道記者の保身が見える。記者が忖度してどうする。報道は何が正しいかに対して見識が無ければ報道とは言えない。以前のNHKはここまでひどくはなかった。
政府は学術会議の支配に乗り出した。学術会議は自ら組織の在り方を検討し、居間の組織で良いという結論を出した。それに対して4月末までに政府の任命拒否の理由の回答を要求していた。が、回答はないまま話が消えかかっている。
政府は学術会議の在り方を五月末以降に有識者会議を作り、検討するというのだ。このやり方はおかしいと思う。任命拒否と学術会議の在り方は峻別しなければならない。政府は話をすり替えようとしている。このすり替えが読めば分かるようにはNHKはしていない。
報道は実に諦めが早くなった。何故こういう問題を追及し続けないのだろうか。政府と一緒になって健忘症である。国民がコロナに気を取られていて、ミャンマーの軍事クーデター以降の民主主義の破壊に関して、報道の意見表明が少ない。本来、こうしたときにもミャンマー外交の専門家に意見を表明して貰う必要がある。
政府のコロナ対応を見れば、政府が学問の価値をいかに低く見てきたかが分かる。感染症対策が全くないがしろにされた国だったのだ。10年前鳥インフルエンザが蔓延したときに、私でさえ人間の感染症を予告し、科学的な対応組織の設置を要求した。
ところが政府は何の手立ても打たないまま、コロナの感染に巻き込まれたのだ。本来であれば、パンディミックが始まる前に、感染症の学者の声に耳を傾けなければならなかった。政治家は専門知識が無いのだ。政府にはそうした学問を尊重する精神が欠落している。
どの問題を考えても、今の政治状況を一番表しているのが、赤木ファイルだろう。この事件を深刻に受け止めて、やり直さなければ成らないはずだ。赤い議ファイルを素通りさせてはならない。