小田原の農作業

   



 今回小田原では、大豆の収穫。小麦の播種。玉ねぎの植え付け。この3つを行った。予定通りできた。こうして小田原の農作業が出来ることは、農の会のみんなの日ごろの活動があるからだ。それに加えてもらえうという事は、幸運というほかない有難いことだ。

 まだ寒さもきついことはなく、農作業には恵まれた季節であった。一週前の大豆の収穫はだいぶ雨に悩まされたようだったが、今週は作業中に雨が降ることはなく、その点は良かったのだが、やはり大豆が湿っていて、脱粒機が不調になってしまった。

 最近の農作業は天候の荒さに悩まされることが多い。例年通りという事がない。強い雨が降ると思えば、晴天が続いて乾きすぎる。その都度その状況にあわせる対応力が必要になる。農の会のようにみんなでやる農業はなおさら日程を組むことが難しくなっている。

 その結果もあって数人の人に作業が集中することになっている。そうした事前事後の作業を担う人がいてくれるから、活動が成り立っていることを参加者全員が考えて行かないといけないのだろう。暮らしてゆくことも、若い人たちはより厳しくなってゆくだろう。

 そうした中、活動の継続がどうすれば可能なのか、何が自分にできるのかを考えた小田原滞在であった。できれば生きている間は小田原に来たいのだが、身体が動かなくなればそれも無理だ。一年でも長く続けられればうれしいことだ。

 大豆は過去最高の収量であった。粒の形も大きく、まん丸になっていた。良くここまでの大豆栽培の技術を高めたことだと感銘を受けた。小糸在来種は特別においしい大豆ではあるが、栽培は難しいし、多収は出来ない品種である。小糸在来種を自然栽培で、これだけ完成した栽培法に至ったことは素晴らしい努力だと思う。

 大豆は良い土壌でなければうまく育たない。その上に肥料を必要とする作物である。大豆に肥料をやれば、はばかり山のホトトギスで、葉ばかり茂って実が付かないと言われる。しかし実際には適切に肥料を入れない限り、充分の収穫は得られない。農の会ではソバカスやそばガラを土壌に入れて、耕運を繰り返している。

 80cmの畝幅にして、耕運機で間を耕して土寄せと草抑えをしている。収穫が終わった時にはずいぶん高い畝が残っていた。そばかすを撒いてそれを土寄せをするという形で、大豆の出来が良くなったのだろう。80センチ幅でも隙間がないくらいの出来だった。

 農地をお借りして4年目にしてその成果が出てきたという事のようだ。特に総生寺裏の畑の土が良くなっていることを畑を歩いていても感じた。大豆は土づくりという事に尽きる。農の会では肥料と言っても、堆肥を入れる訳でもない。もちろん化学肥料を使うはずもない。

 作付けを麦と大豆で輪作している。その間にそばガラやソバカスや選定チップを投入している。草抑えの為に入れるそば殻も、効果があると思われる。投入量を調整することで年々大豆が出来るようになった。裏作になる小麦もかなり出来が良くなった。

 小麦は今年は、ニシノカオリとミナミノカオリの2種播種した。小麦を播くのが11月末という事で少し遅い気はするが、最近あまり寒さが来ないので、遅いくらいがいいともいえるのだが、いずれにしても大豆が終わらなければ、麦は播種できないというギリギリの線なのだ。11月中には何とかということになっている。

 今回も午前中に大豆の収穫が終わって、すぐにソバカス撒きをみんなで行った。そして午後に、トラックターで耕運しているその場で、終わったところから、小麦の播種を始めた。トラックターが舟原の畑を耕運してくれている間に、総生寺裏の小麦を播き終わった。

 40センチ間隔でごんべいで播種した。すぐに舟原の圃場に行き、トラックターが終わっていたので、小麦の播種を始めた。小麦は大豆と兼用のゴンベイで撒いたのだが、播種のローラーを2枚飛ばしにして蒔いて、1反あたり5キロだった。土壌の湿り気が多かったので、播種器の車輪に泥がへばりついて持ちあがり、少し不安定だった。

 購入したみなみのかおりの種は粒が小さかった。昨年収穫したにしのかおりのほうが2周り大きい。のうけんから購入した小麦種はできの悪い種なのかもしれない。キロ千円はしたようだ。そんなに高いのちょっとがっかりだった。

 播種の様子は土壌が雨の後の割には悪いほどではないと思う。これも土壌がよくなった表れだろう。排水性が向上した。播いた翌日の雨の天気予報が出ていたので、急いでやるほかないという事だった。予報通り雨になった。播いてすぐ雨が降ってくれれば、発芽は早いことになる。

 今年の小田原の11月は比較的暖かいから、小麦の播種時期としては11月28日は悪くなかったかもしれない。昔は11月11日を小麦の播種日としていた。それは戦後小田原で小麦を作った人から聞いた話だから、今なら28日でちょうどよいかもしれない。早く大きくなると寒さにやられやすい。

 小麦の播種が終わると、すぐにタマネギの会の区割りを行った。連作をしないジャガイモの畑と回しているので、上手く回せるようにしなければならない。日当たりの問題があるので、場所決めがなかなか難しい。結局タマネギは昨年のと同じ場所にして、上の畑の方に少し広げることにした。一人の幅を1.4mにした。

 私は昨年と同じ一番奥の場所を与えられたので、すぐに苗を買いに行った。みんなの苗床の作業には加わっていないので、購入苗でやるほかない。堀井商店で400本買ってきた。品種はネオアースである。晩生で持ちが比較的よく保存がきくので好みである。

 昨年作ったタマネギはちょうどなくなる所だ。高めのベットを作りトンネルをかけ終わるまで、2時から植え始めて、5時までかかった。小田原の今の季節の5時は真っ暗だ。4つの穴あきビニールトンネルをかける。舟原でタマネギがそれなりにできるようになったのは穴あきビニールトンネルのお陰だ。

 玉ねぎがなかなかできないので、試行錯誤した結果穴あきビニールをかける方法を考案した。それから舟原でも玉ねぎができるようになった。真冬は明星岳からの吹きおろしで、舟原では寒すぎるのだ。土壌が乾き、土が飛ばされてしまう。風のあたらない畑ならばなんとかできる。

 穴あきビニールは保温もあるが、土壌が風に飛ばされない効果が大きい。もう一つが飛んでくる虫を防ぐ効果がある。昨年は私だけがトンネルをして、他の人は穴あきマルチなどだったが、虫にやられてどうもうまく出来なかった。

 それでトンネルの良さをみんなも少しは感じてくれたようだ。玉ねぎというと穴あき黒マルチで作る人が多いい。本に出ているからだ。草が出ないということもある。どうも土壌をビニールでぴったりと覆うのは気持ちが悪いので、使わない。

 

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