西表島二日目

   



  マリュウドの滝。 上流に小さく見える白いところがカンピーレの滝。

 二日目は浦内川を遊覧船でのぼり、マリゥドの滝、カンピーリの滝まで歩く。イナリゾートの方に、8時30分に送ってもらう。途中スーパーに寄ってもらい、昼のお弁当を買う。ホテルの方が、スーパーにまで連れて行ってくれる。とても親切な人だ。

 9時の船で軍艦岩まで連れて行ってもらう。そこから、30分歩くと屋根のある展望台があり、滝がよく見える。ここで絵を描くことにするが、まずは上のカンピーレの滝まで行ってから戻って描くことにする。

 カンピーレの滝まで行くと、この場所が神が宿ると感じたことがよく分かった。滝のもつ神聖があたりを覆っている。1時間半ほどで一枚描く。緑の魔境を以前は怖くて描けなかったが、今回は何とか描ける。怖さに慣れたのだが、怖くなくなったわけではない。

 展望台まで戻ると、ちょうど12時。お昼を食べて、また描き始める。写真風景である。この緑もすごくて、遠くの滝の感じがなかなか難しい。2時間ほど、描いてみる。描けたものかどうかわからない。

 また、30分歩いて、船着き場に戻ると2時30分の船が来る。素晴らしい場所だった。こんな場所はめったにないだろう。カンピーレの滝の神が宿る場ということが格別なところだ。西表島というところがどんな場所なのか、少しづつ感じ始めた。

 西表島が世界遺産になり、どう変わるのだろうか。この圧倒的な自然の力が、緑の魔境として残されてゆくのだろうか。西表島まで押し寄せてきている、帰化植物はこの西表の圧倒的な自然にどう影響するのだろうか。気になるところだ。

 稲葉集落のあった平地は自然に飲み込まれて、人家があったことも、田んぼが200ヘクタールもあったことが、本当のことかと思う。なにしろ、稲葉集落のほかにも、炭鉱では何千人もの人が働いていた。台湾から多くの人が来ていたらしい。学校や病院まであったということが、信じがたいことだ。

 熱帯の自然の復元力の強さに驚く。それがイリオモテヤマネコを守ってくれていないだろうか。西表島の十条製紙の伐採事業も道路を作り、ケーブルを張り、大きな集落を作ったらしい。それでもイリオモテヤマネコは生き残っていた。

 50年前までは誰もが普通にイリオモテヤマネコを食べていたのだ。それでも、生き残ってきた素晴らしい生命力を持つヤマネコである。人口だって今の方がはるかに少ない。車の事故さえなければ、共生できるのではないだろうか。

 私がそれにわずかでも役立てることができれば、うれしいことだ。なんとしても餌場づくりに、参加させてもらいたい。もう少し、ヤマネコのことを勉強して何が、共生に必要なことなのか考えてみたいと思う。

 場所場所で入山数の制限を設けることになるらしい。この日は修学旅行の中学生が来ていた。200人ぐらいだろうか。こういうことはできなくなるということだろうか。

 - 石垣島