小さな田んぼのイネ作り―――②

   

田んぼの向こう側に旗を立ててあるが分かるだろうか。道路からも見えるはずなので、目印になる。レンゲはそれなりには茂っているが、これくらいならまずまずとみていいだろう。もっと盛り上がるように密生することもある。レンゲはいつ刈ればいいのかという事にも、それぞれの考えがある。レンゲの花が終わり、種になってから刈るのが良いと考えている。それは、レンゲの種が落ちて、秋になって芽吹いてくることがある。上手く行けば、種を買わないでもいい訳だ。余裕があれば、実った種を採取しておくのも良い。自給の田んぼなのだから、そこまでやれれば一番よいのだろう。3畝の面積に必要なレンゲの種は1キロだ。それくらいならできそうなので今年はやってみる。予定としては19日あたりになるか。
苗床では種をまいてから、5日目わずかに小さな芽がのぞいているという状態。5日目で発芽が揃う事もある。このところ寒くて、0度ぐらいまで下がった。雨も降り続いていた。発芽は少し遅れるかもしれない。寒いという事は問題はない。0度以下に下がっても種の段階ではイネの発芽が遅れることがあっても障害が出るという事はない。3葉期ぐらいまで成長してから、寒いと問題が生じることがある。今年は種まきを1週遅くしたことは正解であった。一周早ければ、出た芽が寒さで障害を受けた可能性もある。トンネルの中は5月1日の朝7時で28度あった。昼間は35度にはなるだろう。一気に発芽する可能性がある。夕方には結構芽が出始めていた。
苗床のわずかな発芽。
苗床は一部水没していた。これはかなりまずい。今の段階では構わないが、ここの後水位を上げてきたときに、よほど注意しないと水没で腐ってしまう。回りに溝を掘る方が良いかもしれないが。この後の天候次第だ。播かれた種は1週間で普通は発芽する。発芽が素直に揃う事も大切である。その為には十分な浸種が必要だ。水が10度くらいと冷たければ、1か月以上川に浸けておける。それは年によって違ってくる。山北にいた時には正月の1日からつけてみた。水はずーと0度であった。5カ月もつけておいた。それを直播に使ったのだが、とても良い発芽であった。種の消毒をする人がいるが、私は30年一度もしたことがないが、問題が出たことはない。たぶん箱苗にすると、問題が出る可能性があるのだろう。苗床での苗作りなら、種子消毒はいらないと考えている。自然界でないことはできる限りやらない。
レンゲの様子。
10番田んぼの小さな田んぼはほぼ3畝である。どの段階でアラオコシをするか見ているところである。田植えは6月初旬と決めてある。これに向けて準備を進めるが、レンゲの花が終わるころアラオコシをやりたい。草は枯れてから漉き込むことが良い。無理に刈り取って枯らすより、自然に枯れてから漉き込む方が良い。あと20日ぐらい先か。その後少しずつアラオコシをしてゆく。26日の週からが、一気の作業になる。ただこの田んぼは水がなかなか来ない。他の田んぼの代掻きが終わらないと、最後の田んぼである10番には水が来ない。
今年は天気は不順と見ている。変化が大きい気がする。油断できない気がしている。

 - 「ちいさな田んぼのイネづくり」