田んぼ水口の浄水池

   

大きな葉がクワイである。入水口の池は草でおおわれている。田植えの頃は水面だけで何もない池である。

田んぼの水の取り入れ口には池を作ると良い。大きさは田んぼの大きさの100分の1くらいあれば良い。1反の田んぼならば3坪くらいである。つまり、6畳くらいの池があれば良い。この池は地形に応じてどのような形でも構わない。深さは田んぼより少し深くする。30センチほどの水位があれば良い。田んぼの入水口から入ってきた水は、この池で一度、水を溜ることになる。池の上澄みの水が田んぼに入るようにすると良い。池には3つの目的がある。1、水温を上げることと。2、田んぼで使う水の浄水機能。3、田んぼへの肥料投入。温まった水は水面に近いところに溜まっている。これを田んぼに入れてやる。またこの池に魚を飼っておくのも良い。那須にある、アジア学院では一番上に養豚場や人間の住む家がある。そこから出るすべての水が、下の池に一度溜められる。その池は養魚池になっている。池で一度溜められた水が、さらにその下の田んぼで利用されている。

これはアジア全般の水田地帯にある考え方から来ている。中国では養魚池が入り口にあるのをあちこちで見た。鯉など飼われていると言われていた。アヒルが飼われている池もあった。その池で魚や水鳥が飼われることで、水が富栄養化するのだろう。その水が田んぼに入ることで田んぼの肥料分の補給にもなっている。同時にこれは水の浄化にもなっている。川にはさまざまなものが混入する可能性がある。上流に鉱山などがあれば、どういう重金属が流れてくるかもしれない。川に生活雑排水が混入していることが普通である。こうした様々な水の影響を軽減し避ける意味でも、川からの入水が直接入る場所では浄水池を設け意味があるだろう。又上流部の田んぼの排水が水路に入っているような場所では、農薬や化学肥料の影響も必ずある。これを緩和するために、浄水池を設ける必要がある。実際に入水口付近だけ、除草剤の影響が出たことを経験している。

欠ノ上田んぼには2つの入水口があるが、一つには細長い浄水池が設けられている。池にはクワイが植えられている。この2つの入水口を比べると明らかに池を設けた方では、水口の生育の遅れがない。面積が減少する分を十分な生育で補う事が出来る。突然の大雨が降っても泥水が田んぼに流れ込むという事も避けることが出来ている。田んぼへの肥料の投入池として利用することも可能である。この浄水池のクワイにそばかすを多めに蒔いている。肥料を与える意味なのだが、この肥料が徐々に田んぼに流れるでることになる。直接田んぼに肥料を入れるより、緩和されて安全な感じがする。カキツバタのような花を植えておくのも楽しみなものだ。蓮を植えたことがあるが、これは田んぼの結構奥の方まで芽が出てきて良くなかった。

 

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