3月の自給作業

   

諏訪の原圃場の堆肥置き場

いよいよ稲の種まきの季節である。3月21日の春分の日に籾洗いを行う。やはり、この日を田んぼの始まりにするのは気分が良い。種まきまで1か月の川での浸種となる。最近の水温では途中で芽が出始めるであろう。鳩胸状態になったところで、冷蔵庫に保存をする。種籾は昨年収穫したサトジマンである。採取した物が10キロある。これを田んぼの泥と海水と混ぜて、軽い籾を捨てる。うるち米は1,13の比重での選別とされている。もち米1,08と軽い選別とされている。しかし、あまりこだわらずに、海水よりは濃くするぐらいの考えの方でいれば十分だと思う。海水に泥水をいくらか混ぜる。卵が立つとかいう話もあるが、あれはばかばかしい。卵は状態や鮮度によって立ち方が変わる。重要なことは種もみに春を感じさせて目覚めさすためには、田んぼの土と海の水に出会いが必要ということではないか。種籾はその後田んぼに来る川の流れに晒されていることが良い。

ジャガイモの植え付け、種イモはMを半分に切った男爵10キロ。20㎝間隔に植えて、42メートルになった。80キロが目標である。

水は13度以下でなければすぐに発芽してしまう。冷たい川であれば1月以上浸種しておいた方が良い。長く川の水に浸けておけば、種子消毒はやらないでも良いのではないかと考えている。この日には、併せて土ぼかしづくりを行う。土ぼかしは山土の半量くらいのソバ糠を加えて、水をかけ攪拌する。水は握って土が崩れるくらいである。土は1週間ほどで温度が上がり、糸状菌が覆い始める。そうなったら攪拌する。3回ほど攪拌を繰り返す。この土ぼかしは振るって荒いものは野菜の苗土にも混ぜて使う。細かいものを苗代に蒔いた種の上に蒔いて覆土する土にも使う。種籾が直接触れるのだから、よく発酵を進めるには1か月はおかなければならない。覆土には昨年作ったもみ殻燻炭も使う。燻炭は種の食の発芽や生育に良い影響を当れる。保温効果もある。いよいよという事になる。

小麦の様子。麦踏は良くしている。畝間は耕運機で岩本さんが耕してくれた。土寄せにもなっている。

3月は野菜の種まきも始まる。今年は有機農業塾を始める。この圃場で自分の野菜も作るので、三月にはこの準備をすることになる。ジャガイモをみんなで94キロ植えこんだことになった。農の会の12名である。これを考えるだけでワクワクするものがある。踏み込み温床を作りその上に種をまいたトレーを並べる。これも3月に張ればすぐやらなければならない。すでに材料は十分である。有機農業塾の圃場には堆肥置き場も作った。これからは藁やチップが手に入る都度運び込むことにしたいと思う。

稲作や大豆や野菜の栽培の姿を記録しておくことは後で役立つと思う。田んぼのまとめを行う。その為の資料作りをしておく。田んぼの作業を写真で記録しておく。作業が写真で分かるように写しておく。また、1葉期から出穂までの各葉が出たところを写真で記録してゆくつもり。葉にはマジックで印をつける。

今年は自給の姿をまとめなければならないと考えている。ここまでやってきた自給農業のやり方は、試行錯誤してたどり着いたものだ。少しでも楽に、たくさんの収穫をする。しかも費用は出来るだけ描けない。特に農の会的協働の形は自給の省力化の姿として、合理性のあるものになっている。一人でやる自給の3倍ぐらいの効果がある。収穫は倍。経費は半分。労働は半分。楽しさは倍増する。どこまでまとめができるかはわからないが、まとめが出来る材料を今年溜めたい。お米作り。ジャガイモ作り。タマネギづくり。大豆づくり。小麦作り。この時代に農業をやる人は、誰よりも協働が苦手だと思っている。会社での共同作業で疲れている。その解消の為に一人で農業をやりたいと考える。しかし、ここが違う。自給農業の協働は助け合いである。自分のできることを提供し、人がやってくれることを有難く受け入れる。競争社会で失われたものの回復である。

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