田んぼ 流し水管理
ここが全体の水口になる。生育も遅れている。これでも例年よりましかもしれない。この水口の3番田んぼは苗床にしている。苗床なのでどうしても、肥料が多めになる。水の冷たい田んぼは少し多めの肥料が必要になる。そこでちょうどつり合いが取れる。写真ではわかりにくいが、常時、稲が押し倒されているくらい水が入っている。田んぼは流し水管理である。常に水を入れている。その水の量毎秒2リットルくらい。これを24時間続けている。水は最初に2系統に分かれるので、毎秒1リットルづつと言う位か。それでも一番下の田んぼでの排水はない。水が行き着く、最後の田んぼが3か所あるのだが、何処でも排水をすることはない。たまに水尻の堰を超えていることはあるが、基本の水管理としては水尻の水を出さない管理である。流し水管理という水の入れ方がある訳ではない。この田んぼの構造状流し水で入れるしかなかった。それをしている内に、この田んぼでは流し水の管理の方が良いという事が分かった。理由は水は流れていると生きた水になるという事だと思っている。
これが2番目の田んぼへ水が落ちるところである。一番目の入水口の稲と較べると、成育の違いがよく分かる。この水が落ちているあたりが案外に成育が良い。水口田んぼで水が暖められて落ちるから状態が良くなる。この水がこの下11番まで行くのだから、ここも相当の水が流れ込んでいる。流れ込んでいてもここは水温が高いから、生育が遅れるという事はない。そして泡立ち水の中に酸素が供給される。水を活性化させる。これが下の田んぼにとって良い効果が出ている。下の田んぼでは水口周辺が生育の良い場合が多いいのだ。
これは3番の水尻である。板を超えている水の量でどれほどの水が流れているかが少し想像できる。
このようにどの田んぼもかなりの水が流れ続けている。以前、平地の鬼柳境でやった田んぼは幅5メートルの長さ50メートルとかいう田んぼだったがここなどは水路で田んぼをやっているような感じだった。これは抑草を期待して、流れ水管理にしていた。全体を緩やかな川状態にして、酒米の山田錦を作ったが、畝取りが出来た。田んぼの水は常に変わっていた方が良いという考えでやるのが、流し水管理である。朝夕だけ水を入れるとか、様々な水管理があるが、水が充分にあるなら流し水管理が優れていると考える。流れ水では雑草が発芽しにくい。特にコナギは生えにくいと考えている。実際に鬼柳境の田んぼでは前年まではすごい雑草田んぼだったのに、ほぼ草を抑え込むことに成功した。稲刈りも水の中という状態ではあった。
これは5番から6番に落ちるところだが、4番からこのぐらいの水が流れ込みそのまま流れ落ちている。田んぼの中をこれだけの水が常に動いているという事になる。ここでも700CC/秒ぐらいの水はある。
ここは10番の里地里山の田んぼ、ここは入る水はたぶん50CC/秒になっているぐらいに見える。水がここまでくる間に、それだけ減る。それがタテ浸透の水になる。その上の田んぼが9番だがここはどん図まりの田んぼで、ここにも50CC/秒の水が入るが流れ出ることはない。この最後の田んぼが一番できる田んぼだ。出来過ぎで倒れる傾向がある。一昨年秋に病気が出た。過密になり蒸れたのだと思う。ここでも水を流して落とせばいいのだが、それだけの水がないという事でもある。
12番の田んぼだけ糯米のマンゲツモチを作っている。成育がおとなしい感じがある。また、今年初めて作っている田んぼなので、土壌の状態が良くない。この長い塩ビ管は動くことになっていて、今は12番に落としているが、初期段階では、7番に落としていた。13番14番の代掻き田植えが終わってから、12番に水が落とせるようになった。
これは2番から12番田んぼへの水。水が落ちているあたりの方が生育が良いのが分かる。このあたりは地面から水が湧いている。その為土が冷えている。上からの温かい水が落ちてそのあたりが生育が良くなってきた。酸素が供給されることも良いのではないかと考えている。
これは1番から2番への落水口。
これは3番の上から見た稲。稲はこのように上から見ると様子がよく分かる。3番の方が2番の方が生育が進んでいる。