アラオコシから代掻きへ
代掻きの終わった10番の里地里山協議会の田んぼ。朝日の上る静かな田んぼ。
欠ノ上田んぼのアラオコシから代かきは4日間かかった。田植えに間に合いホッとしている。12枚に分かれている段々畑4反ほどだ。水の回し方や、漏れを塞ぐ作業がとても難しい。今年気付いたことは、長く水を入れていると場所によっては耕盤が弱くなり、トラックターが立ち往生するという事だ。それでも苗床のように2か月間、代かきの前に水を入れなければならない田んぼでは、どうしてもそのリスクはある。私のトラックター技術ではかなり難しい。小さな棚田をトラックターで耕してゆくこと自体に無理があるのだろう。その上注意力散漫で無鉄砲だから、失敗を毎年してしまう。今年良かったのは人のいるときの失敗だったので脱出できたことだ。今年びっくりしたのは石が浮き上がってきていることだ。川沿いの田んぼで石は多いいとは思っていたが、かなり取り出したつもりでも、また石が増えてきている。まさか石が水に浮くとも思わないが、だんだん土の中から地上に表れてくるようだ。石はいくら掘っても増えてくる。
朝5時に田んぼでは、4番田んぼの均しを太田さんがやってくれていた。今年トラックターが落ち込んで動けなくなったために、相当凸凹になってしまった。また右太田さんがいるあたりから、石垣沿いに下に漏れてゆく場所がある。田んぼの下に水道があるので、山側で漏れが起こるのだ。これが毎年苦労する場所だ。
ウス緑のアラオコシだけの田んぼが13番、14番で岡本さんがやることになっている。田植えが2週間ぐらい遅くなる。その上の田んぼが、12番田んぼで、水を今朝入れ始めた。手前の冬水田んぼは代掻きをした後、緑の藻がすぐ生えてきた。冬水田んぼの土の性格が少し様子が変わった。
今年は緑肥のあるままトラックターで耕した。以前は刈り取ってから漉き込むようにしていたが、面倒くさいので浅く耕しながら、草も引きちぎっていった。案外できるものだ。草が刃に絡み付いたところで、稲刈りガマで切り落としていた。アラオコシは出来るだけ浅くという気持ちでやった。浅い方が良いというよりも、浅くても同じという事がある。浅くするつもりでも、下手なためかついつい深くなる。それで深いところも出来た。代掻きはさらに浅く浅く、と思って行った。間違っても代かきの時にはアラオコシが届いていない深さを削らないことだ。手植えなのだから、植えられさえすれば問題がない。深ければ歩くだけでも大変である。そう思いながらも今年も深いところは出来てしまった。狭い田んぼでトラックターを回すという事はなかなかヘタには困難である。代掻きは水を多めのつもりでいたのだが、水がなかなか溜まらないので予想外に時間がかかった。代掻きをしなければ水が溜まらないのに、水がなければ代かきができない。
みどりのベットが4列あるとこが苗床。苗床の代掻きが最後に残っている。苗取りが田植え前日になる。そのために苗取りを終わり次第、すぐ代掻きをして、代掻きを終わってすぐ、水を落とすことになる。つまり、ここから下まで水が繋がっているので、排水の具合がなかなか難しいことになる。上手く排水が終わっていなければ、田植えの為の線引きができない。大勢で田植えをするにはきちっと線が見えないと後あと大変なことになる。線が引きやすい、田んぼの乾き具合がある。この後水を止めに行くつもりだ。一段上のまだ乾いている田んぼはお隣の瀬戸さんの田んぼだ。ここでは「はるみ」を植えるそうだ。JAから苗が届いている。「はるみ」は神奈川県の奨励品種である。JA全農で開発した新品種である。つまり初めての民間企業開発のお米という事になる。これも種苗法が無くなった成果の一つなのだろうか。食味コンクールで優勝したとか言われている。出来をよく見たいと思っている。