防音の鶏小屋

   

小屋の前に防音材が置いてある所。夜これをはめ込む。

以前から作ろう、作ろうとして踏み切れなかった。防音の鶏小屋を作った。これで上の小屋からすべて家のすぐ上の鶏小屋に鶏の移動が完了した。家の近間で合理的にやれる。家庭養鶏は庭鶏である。庭で鶏が遊んでいるくらいがいい。家族の数だけ鶏がいて、生んだだけ卵を食べるというぐらいがちょうどいい。子供のころもたくさん鶏を飼っていたが、おじいさんが卵を一人で1個を食べるなど、贅沢すぎるというので、良くて兄弟2人で分けて食べた。その話を友達にしたら、7人で分けたという人がいて、その人はほとんど卵の味のする醤油かけご飯だと言った。話はすぐわき道に行くが、防音小屋の作り方である。ネット検索で防音素材は簡単に見つけられる。どれがいいとかまでは分からないが、厚さは50ミリの40何とかと書かれていた。これを5枚買った。これの枠というものもあって、これは4本買った。あとはベニヤを5枚。併せて3万3千円ほどだった。もとからある鶏小屋のわきにあった倉庫を改造して作った。防音にはまあまあ成功した。

笹鶏の最後のめんどり。雄は、笹鶏と岡崎おうはんの交配。

小屋の大きさは1畳で高さが135センチの立方体である。床は土である。ここに現在雄鶏が2羽と雌鶏が2羽いる。前に遊び場があるので、昼間出してやることができるようになっている。その庭には、他にいる雌鶏も出してやれば、一緒に遊ぶことができる。慣れてきたら、雄だけその小屋に戻す方式にしたいと考えている。小屋の構造はこの立方体の後ろ側には前からあった、発泡スチロールの板を10センチくらい置いた。防音材が足りないのは分かっていたのだが、後ろ側は、あり合わせのものでいいだろうと考えた。後ろは人のいない山の方角なのだ。また空気の抜ける穴が欲しかった。まだつけてないのだが、夏場の様子では、そこに換気扇を入れる計画である。防音材はよく見るような、断熱材と似ている黄色のグラスウールのようなものだ。それに表面にシートが張り付けてある。このシートが鶏小屋にはありがたい。この倉庫だったところは、土台がしっかりしたコンクリート造りなので、下から動物が入り込むということはない。

両側の壁に断熱材を2段において、枠で止めた。枠の表面にはベニヤをあてがった。鶏がつついて穴を空けないためである。その天井部分にも断熱材を乗せてベニヤをあてがった。このベニヤはいらないかもしれないが、天井裏に当たるところに物をしまったのだ。問題は前面で、全面は金網でできている。下のほうの60センチほどは板張りである。下から網で後、害獣にやられやすい。その金網は開きのドアになっている。南向きで中に光が差し込むようになっている。奥まで十分明るい。その前面のドアの裏側にあたるところに1枚の防音材をあてがえる様になっている。朝取り外して餌をやり、夕方暗くなったら防音材で閉じてしまう。真っ暗であれば余り鳴かないだろうと考えていたが、光がわずかでも漏れこむのか朝を感じて、4時過ぎには鳴いている。鳴くが音が吸音されてたいして響かない。これは昼間前面を取り外してある時も防音効果があるようだ。吸音材効果なのか音が普通の小屋のように響き渡ることはない。

防音鶏小屋は都会では無理かもしれないが、農村地帯であれば、ほぼ問題ないレベルの効果をあげることができた。完全な遮断はできないが、それなりの遮音にはなっている。日本中で鶏を飼えなくなった最大の理由が、隣近所の騒音問題である。暮らし方が変わって、夜更かしになったし、明るくなるから起きるということもなくなった。鶏の声が響き渡る村の暮らしののどけさ。というようなことは江戸の遠くになりにけり。鶏の声が解決できれば、また鶏を飼う人が増えてくれるかもしれない。鶏好きとしては期待するところである。吸音材もいろいろあるようだから、まだまだ工夫できるだろう。そして、小屋の作りももっと完璧することはできるはずだ。まずは第1歩の成功である。

 - 自然養鶏