トマトの失敗

   

塩山桃源郷 10号 ここは何度も描く。今年も描きに行こうかと思ったのだが、その頃ちょうど病気をして出かけられなかった。来年こそと思っている。

トマトに失敗した。一度苗を作ってダメにしたので、もう一度作った。これが遅れてしまって、8月になってやっと成りだしたところだ。成りだしはしたが、暑いのですぐ一服というのではなかろうか。何とか寒くなるまで成らせたいと思っている。野菜もそれぞれに難しいが理由があると思う。失敗ばかりしているので、出来るものだけにだんだん限定してきている。出来るものといっても、モロヘイヤとか、ツルムラサキは作らない。好きではない。好きでもないものを我慢して作る位なら、自然と生えてきたもので食べられる葉っぱを食べていればいいと思っている。今はなぜか白菜が草の陰に沢山芽生えている。虫も食べているが、人間も十分に食べれる。そばなど、いつでも出てくるので、夏の葉ものにちょうどいい位だ。失敗したトマトだ。来年の為に、失敗の状態を書いておきたい。張りきって早く苗作りをした。2月中だったか。踏みこみ温床が調子が今一つだったこともあり、温度不足であった。

発芽が遅れたということがあり、3月になって成長するかと思って粘っていたのがさらに悪く、4月に入って蒔き直しをした。これが遅れて苗に成った。苗に成ったのは良いのだけれど、良い苗には成らなかった。水やりを朝晩やるということすらきちっと出来なかった。まあ仕方がないような安定しない追われた状況だった。自治会長の一年は仕方がないと思って少し諦めた。本当はそんなに時間的な負担がある訳ではないのだが、気分的に気になることが多く、調子にむらができた。苗を作るときは、他のことは頭にないという状態が必要だ。その意味では、稲の苗作りにどうしても集中する。野菜派と稲派に分かれるのは当然のことかもしれない。稲の苗は、失敗する訳にはゆかないので、夢でもイメージトレーニングするくらい、頭の中で反芻している。

麦がなんとか、大豆も何とかと頭が整理されてきたので、トマトへ再挑戦をしなければならない。キュウリは食べきれない位出来る。味も極めてよい。種も自家採種している。トマトが私に上手く出来ないのは、日本の気候に合わないのかもしれない。それはタマネギもそうだ。私が日本の水土にこだわり、その法則を見つけようとするから、トマトやタマネギが上手く行かないのかもしれない。タマネギは周辺の草にひどくやられる。草がいくらでも生えてくる日本の土壌では消滅してゆく野菜だろう。トマトは日本の湿気である。湿気で良い成長が出来ない。その為に、雨よけをやる。ハウスの雨よけも悪くはないのだが、土壌がだんだんおかしくなる。その為にトマトが作りにくいのかもしれない。ハウスの土の入れ替えか。ナスは虫である。おかしな虫にいつもやられてしまう。

トマトやタマネギ、というような主要な野菜が上手く出来ないのだから、自給もまだまだである。しかし、出来ないので食べないとしても、少ししか食べないとしても、全く問題はない。江戸時代の人はこうした野菜は食べなかったはずだ。だから、トマトやタマネギを作るときは、ビニールに頼っても仕方がないと特別ルールで考えている。トマトはいつもハウスで作る。タマネギは、草を抑える炎天下ビニールで覆い、草の種を少なくする実験をしている。8月末までビニールを覆って置き、そのあとにタマネギを播くつもりだ。タマネギ自体はできない訳ではないのだが、なにしろ草に負ける。草取りも少しはするのだが、草がそのレベルでなく生えてくる。いつも途中で挫折してしまう。一年通してタマネギを食べて、さらに余って販売したということは、一回しかない。

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