本物の麦茶の作り方
塩山の葡萄棚 10号 塩山辺りは子供の頃が思い出されるのか、どんどん描きたくなる。この自分の中の奥にあるものに興味がある。
採れたての大麦を焙煎している所。
麦茶を作っている所。
麦茶は江戸時代は主要な飲み物だった。普通のお茶よりも庶民にはよく飲まれたもののようだ。だから麦茶の作り方は相当に工夫があったようだ。私も美味しくしようと色々やってみるが、先ず焙煎の仕方が大切。焦げた香りがいいのだが、苦みよりも甘みを出したい。200度くらいの温度で、30分ぐらい焙じる。かき回し続ける。はじける粒が半分位ある。色が美しいローシェンナに成ったなら出来上がり。焙じた大麦カップ1杯を、一リットルの水に入れる。このまま置いておいて10時間ほどして飲むのが水出し。甘味が良く出て美味しい。冷蔵庫にそのまま入れて、20時間して飲んでもさらに味わいが深い。水に入れてそのまま火を入れて、湧いたならば、5分ほど沸騰させて止める。30分置いておく。これが煎じた麦茶。苦みが強くなるが、ミネラルの抽出は多くなると思われる。そのまま麦を取りださないで、最後の苦みまで楽しむ飲み方もある。結局一番美味しい飲み方は、焙煎直後をそのまま煮出して飲むことだった。
刈り取り脱穀が終わり、麦藁を養鶏場に運ぶ所
今年は家の畑では大麦を作った。まあまあと思っていたのだが、40キロだった。昨年は6条大麦を作ったのだが、60キロとれた。去年の方が少し広くやったのかもしれない。粒張りなどはとても良いので、分げつが少し足りなかったような気もする。ということは麦踏が不足したかもしれない。11月25日に播種で、6月4日の刈り取りである。今年は、2条大麦を蒔いてみた。畑の準備は出来ているので、種が届いて、すぐに蒔くことが出来た。6条大麦が麦茶にするといいというので、昨年は作ったが案外の味だった。その前に作ったたぶん飼料用という大麦の方が、麦茶にしておいしかった。記憶をたどるとそれは2条大麦だったと思われる。2条大麦はビール麦である。雪印種苗の2条大麦が1キロ1000円で売られていたので、ネットで購入した。今年蒔いてみてどうなるかが楽しみである。45センチ間隔で長さが15mで12畝蒔いた。つまり180メートル蒔いたことになる。2畝ほどだろうか。それで700グラムほど使った。播種機の小麦用ゴンベイで蒔いた。
反収で200キロだから少ない。700グラムの種が、40キロに成ったのだから、57倍に成ったことになる。お米だと、100倍にはなる。そう単純には比較できないが、麦は冬のもので楽と言えば楽である。播いた後と2度ほど麦踏はしたが、別段180mの麦踏ぐらいなら、ついでに歩いたぐらいで作業をしたということでもない。なにしろ麦は気分がいい。冬の畑を彩る。大麦の穂の白っぽい煙のような姿は、麦秋という優雅な言葉にふさわしい。昔の日本はすべての地域で麦秋だったのだから、美しい国だったに違いない。5日から梅雨入りに成りそうということで、ぎりぎりまで待って刈り取った。しかし、小麦の方は粒にまだ柔らかさが残っていて、刈り取る気には成れなかった。こうなると小麦の方はきつくなる。上手く晴れ間を待って一気に刈り取る以外にない。
関東での小麦は、刈り取り時期の雨の問題が大きい。毎年、梅雨に入る時期と、小麦の熟度の進み具合の兼ね合いに迷う。4日に刈り取れば作業は楽だったが、まだ粒が柔らかかった。この後、いつかりとれるような畑の状態になるのかは分らない。私達のように自然乾燥をするものには、雨に降られたらどうにもならない。だんだん麦も倒れてゆく。晴れ間を待って刈り取る以外にないのだが、果たして晴れ間があるのかどうかもが心配である。8日が刈り取りの予定だったが、今日明日の天候ではすでに無理である。と成ると、来週のどこかで刈り取りになるのだが、全くの天気次第である。刈り取った麦は、すぐにハ―ベスターにかけて、粒にしたものを機械小屋の中に干す。広げて、扇風機で風を送っておく。これで昨年は上手く乾燥が出来た。今年も晴れ間を待つだけだ。