ウクライナ問題
山梨御坂町花鳥山 10号 やはり、おととしの桜である。こ年も行くつもりだ。藤垡の向昌院から近い場所だったが、子供の頃に行ったことはなかった。それでも記憶のどこかに、何か繋がっている匂いのようなものがある。北海道や、沖縄では、自分には絵をかける風景がないということがある。
ウクライナで起来ていることを考えてみたい。判断できるほどの知識もないのだが、ロシア、EU,アメリカ、そして日本。いずれの国の行動が正しいのだろうか。歴史認識というものは、立ち位置によって変わるのだと思う。私は満蒙開拓は侵略だと考えている。南米への移民とは、全く性格が異なる。満州はすでに人が暮らしている場所であった。そこに居た人をどかして、日本人が入って行った土地なのだ。住居すら、満州の人たちが暮らしていた部落に代わって入った開拓団である。大東亜共栄圏を掲げ、日本の権益の拡大が主目的である。一方見方を変えて言えば、自衛権の行使であり、日本の集団的自衛権の行使である。欧米の帝国主義から、大東亜を守るためには、日本が身を挺して対抗しなければならないということになる。しかし、その建前の下に実際に行われたことは、欧米に変わる帝国主義的進出と見られても仕方がないことを行った。
ウクライナのことを考えている。この国はとても複雑な国である。常に戦争の火種になる国である。それは民族的複雑さ。宗教的な対立。ヨーロッパと、アジアと、ロシアの狭間に存在する地勢的な問題。一筋縄ではいかない、複雑な性格を有する国家と考える。ソビエトの抑圧的政治が続いていた。その反動として、衛星各国は経済を軽視して独立をした。その流れを加速するために、又各々の権益の拡大の為に、EUもアメリカも支援を行った。しかし、日本でいえば、神奈川県が独立したようなことだから、経済的にはとてもアンバランスな国に成った。むしろソビエト時代の方が経済的に、あるいはエネルギー供給では良かったということになった。しかし、幸いなことにウクライナはソビエトの鉄鋼生産をになっていた地域のため、鉄鋼の価格が急騰して、経済的な自立を果たすことが出来た。その後世界経済がリーマンショック以降転落し、ウクライナ経済もギリシャ同様の国家破たんに近い状態に陥る。
そこで、EUに加盟して、EUの支援を背景に国家の再建を画策する。ところが、EUの突き付けた条件が、ヤヌコビッチ政権には不満で、ロシアの出した支援策に乗り換えることになる。すると、EU加盟に期待していた、ウクライナのEU側の権益を目的にした勢力が、暴力的な反撃に転じる。ロシアの報道ではネオナチズム集団と言われている。この反政府革命が成功して、ヤヌコビッチ政権はロシアに亡命することになる。ソビエトにしてみると、長い期間衛星国として利用してきた間に作られたロシア系住民の権利が、特にクリミヤ半島には存在する。ロシア系住民が多い。ロシアに所属していた時代の方が、ロシア特権を受けて良かったという人も多数存在する。一方キエフを中心としたウクライナにはEUに加盟して、ロシアの圧力を排したいという、国家自立の意識も強い。ギリシャと同様に、経済的展望がある訳ではないが、ロシアだけは嫌だという、ソビエトに抑圧された苦い思いもある。
日本政府としては中国を意識して、ロシアとの関係を深めようとしていた矢先だ。思わぬ同盟国によるロシア経済制裁である。理由も明確にしないまま、日本も同調させられている。ロシアが暴力的にクリミアを引き剥がした。というほど単純ではない。クリミヤが住民投票によってクリミヤ独立を選択し、ロシア所属を望んだ。ロシアからの抑圧の歴史の記憶を恐れたとしても、ロシアを選択するのだから、どれほどウクライナという国内に腐った問題があるかだ。果たして、国連での議論の国民投票が非合法であるという根拠はどこに成るのだろう。判断放棄したような、アメリカ従属のニュースしか流れない。ロシアの巧みなやり方に比べ、アメリカの外交力の低下が目立つ。経済であれ、軍事力であれ、ウクライナを干渉するということは、無駄なことだ。ウクライナ国内で、今後内戦が起きる可能性もある。日本が集団的自衛権の行使ということで、戦争に参加するようなことだけは止してほしい。まずは、冷静に、ウクライナ問題の本質を考えてみることだ。平和的手段で出来ることを考えてみることだ。