自給農の稲:手植え苗づくり
前回セルトレーを苗代に置くところまで書いた。自給農業では手植え苗に合理性がある。1人100キロ食べるとしても、4人家族で400キロせいぜい1反の田んぼである。これなら4人で手植えすれば、1日仕事である。私の家のように、2人家族で120キロあれば足りるとすれば、せいぜい、3畝でいい、100坪である。このぐらいなら手植なら一人で一日でやりきれる。わざわざ田植え機の準備をして、後の掃除や、一年間の保管管理まで考えれば、手で植えた方がいい。苗作りも、機械苗を作るより、手植え苗の方が自由度がある。田んぼに置いた苗をその後、どのように管理して行くかである。一般的には保温ということを重視する。私の方法では発芽から育苗の間特別の保温はいらない。苗代に氷が張ったことが過去1度だけある。これではさすがにまずいが、霜が降りないぐらいの気温なら、良い苗が出来る。
と言っても寒いよりは暖かい方がいいので、保温シートは使っている。さまざまなシートを使ったが、結論として穴あきビニールが良いようだ。水温は出来る限り上げるために、一枚上の田んぼを代かきして貯め水にしてから入れている。そして排水口から水をわずかに流れ出ることもある位の、貯め水である。小田原の場合、5月初めで早朝は10度以下にはなる。昼12時で27度前後。午後は30度を超えるくらいになる。今までで一番高い水温が37度であった。水の深さはとても重要で、発芽がそろうまでは、水没をさせたない。水没がないだけでなく、ときどき水を切ることもした方がいい。酸素の供給を行う。水没すると発芽率が極端に悪くなる。その後適度に芽がそろったところで深くして行く。深さは稲が水没しない深さ。成長に従い水深を深くして行く。シートをはがすのは、天候次第であるが、遅くと御田植え1周前には取り外す。欠ノ上は19日4週目でラブシートを取った。
今年の場合、4月の21日播種で田植えを6月2日の目標で進めている。6週の育苗である。これだと、4葉期ぐらいではないだろうか。以前はもう少し長い育苗をしていた。5葉期を目指していた。まだ迷っていることではあるが、出来ることなら早めの田植えにした方がいいと考えるようになった。結局苗床で育てているより、田んぼに植えてしまった方が、稲にとって環境がいいと思うからだ。苗床ではどうしても密植である。田んぼは広々して居るのだから、田植えが出来る、やりやすい大きさになれば、植えてしまった方が良いと思っている。何故、5葉期の苗作りを昔の人が、目指していたのかが、よくわからない点だ。ただし、稲の水没は良くない。また浅水管理は草を生やす。出来れば8センチの水深を田植え後維持したい。そのためには、苗は20センチぐらいの大きさは必要である。
稲は厳しく育てた方がいいのか、甘やかして育てた方がいいかである。迷いながらも、甘やかして、大事に育てた方がいいような気がして来ている。一度でも寒さなどにあてて、いじけると、どうもその後分げつや、穂の大きさにも影響するような気がしている。肥料をたっぷり与えて、というのも考えものだが、良い環境で滞りのない成長をさせる事の方がいいように思えてきた。その意味で、4月21日の播種をさらに遅らせ、28日にして、田植えを6月9日にする方がいいのかもしれない。この場合、小麦の刈り取り作業は16日で一応は大丈夫なのか。梅雨入りが15日と今言われているから、小麦の刈り取りが前倒しになっても大丈夫な日程の組み方が必要である。同じ6週育苗でも、全体を1週遅らせると遅霜の危険は減少する。田植えは2日の方が、雨に遇う可能性は低くなる。
昨日の自給作業:粗起こし、代かきなど、6時間 累計時間:26時間