生ごみの堆肥化

   

(1)小田原市の生ごみの検討 
小田原市のごみ処理にかかる経費は、市民一人当たり1年間で11.661円(H.21)(「小田原市の清掃事業」より)です。その中で燃せるごみは、平成9年度に分別方法の大幅変更、平成17年度からは「その他紙」という分類を設けるなど実施してきました。平成16年度から毎年減少傾向に転じました。しかし、燃せるごみの中で、約40%を占める生ごみに対してはこれまで特別の対策を講じてはきませんでした。
(2)生ごみたい肥化検討委員会  
加藤市長は生ごみのたい肥化をマニュフェストでかかげ、就任後「生ごみたい肥化検討委員会」を立ち上げました。この委員会では、家庭での取り組み(段ボールコンポスト中心のたい肥化)と地域での取り組み(報徳小学校区でのモデル事業)を提案しました。

ア、検討委員会では生ごみを将来すべて堆肥化することを目標に、5つの段階を考えています。第一段階として、家庭で出来る取り組みとして、現在段ボールコンポストを中心とした堆肥化の方式で、現を進めているものです。これで全世帯の10%の家庭が生ごみの堆肥化を行うことを目標にしています。2年目で2000世帯の家庭が取り組んだことになります。家庭での取り組みは継続が難しく、中断する家庭も多いのですが、将来、生ごみの分別が行われるときには、、一度生ごみの堆肥化を経験して置くことは重要だと考えられます。

○生(いき)ごみクラブの取り組み
小田原市の堆肥化の取り組みは、市行政と市民との協働事業として進められています。その為の組織が、「生ごみクラブ」です。

1、小田原でも生ごみの堆肥化の活動は15年ほど前から、様々行われてきました。EMバケツ法、コンポスター、電動生ごみ処理機、特に、段ボールコンポストの取り組みは、いくつかの団体で繰り返し取り組まれておりました。2007年あしがら農の会を中心にしたグループでは、段ボールコンポストによる処理方法を生ごみの最善の処理方法として、展開をすることにしました。2009年には「もぐもぐ」と言う組織を作り、小田原市の市民活動応援補助金をもらい、100世帯の配布を行いました。その他30ほど有料販売も行い、段ボールコンポストが大きく普及できる、実感を得ました。

2、このことが評価され、小田原市の2010年の1000世帯の配布につながります。1000世帯の段ボールコンポストをサポートして行くには、市民と行政の協働する仕組みが必要です。その為に生ごみクラブの結成されることとなります。生ごみクラブは60名ほどのメンバーが存在し、26の地域に地域連絡所があります。週1回の打ち合わせの事務局会議を持ち、月1回のサロンを開いております。また月一回通信を作り、郵便局や、相模信金、スーパーマーケット、支所、等に置いております。取り組みの拡大を目指しております。様々なイベントにおける説明や配布会の実施、スーパーや農協直売店での店頭説明配布も行っています。

3、問題点としては、家庭での取り組みは継続が難しいことです。堆肥を作るということは、どの方法に置いても、技術的に乗り越えなければならない側面があります。虫が出る。腐敗して臭いを出す。手間がかかり面倒くさい。段ボールの場所がない。出来た堆肥の処理に困る等困難さがあります。このことを乗り越えるためには、楽しい生ごみ堆肥化を推進する工夫が必要です。また、経費の面でも、基材の入手が簡単でない人もおります。基材配布には行政の補助が必要であります。しかし、生ごみを焼却する費用を考えると、行政の負担は少ないともいえます。

イ、一方地域での取り組みでは、すでに報徳小学校では、学校にある生ごみ処理機に学校給食の残飯の他に、子どもたちが家庭から持参した生ごみを投入し、たい肥にして学校の畑で使用するという活動をしていました。そのため地域の方々の生ごみに対する意識が高く、まずはこのような地域での市民の方々の反応をみさせていただいて、今後の方向を探ろうということになりました。

○報徳小学校区での生ごみたい肥化の取り組み
□ 対象家庭にはバケツを配布
□ シルバー人材から3人(H.22)・2人(H.23) 派遣
□ 22年度
・ 対象家庭数    50世帯 
・ 大型生ごみバケツ  3か所 シルバー人材から派遣された人が一人ずつバケツの傍  
                に立ち、声かけをする。
・ 22.6~23.3 回収量  4044.5kg

23年度  
・ 対象世帯数    70世帯
 ・ 大型生ごみバケツ  1か所(火・金回収)
  ・ 固定生ごみバケツ  4か所(月・火・金に新しいバケツの設置と回収)
                 このバケツには、生ごみをいつでも入れられる。(5枚目)
・ 23.4~23.8 回収量   2523.0kg                     
□ 22年度アンケート結果
・可燃ごみの量が減った。            60%
・ごみ減量の意識が高くなった。         55%
・取り組みやすく継続しやすい。         48%
・取り組みにくそうであったが、継続できそう。  33%

□ 問題点  
・生ごみ回収にかかる人件費が高い。

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