カリウム危険説登場
Yさんと言う方が、肥料に存在するカリウムが放射能を含んでいて、危険であるという説を言われているらしい。そして、その抗議が生ごみクラブにも来た。「段ボールコンポストの堆肥には、カリウムがあるだろう。カリウムには放射能がある。そんな放射能を集めるようなことをしてはならない。」ということのようだ。放射能を畏れる気持ちがここまで来た。放射能がいくら、しきい値がないからと言っても、ここまでエスカレートすると少々行き過ぎである。放射能についてのにわか勉強家がごそっと現れた。そうした人が、ネットに不確かな不安情報を流す。カリウムには放射能があるということが出ていたらしい。だから即危険だ。カリウムを含んだ食べ物など、放射能でとんでもない。こういう意見まで出て来る。放射能の不安が非科学的な情報を広げる。カリウムがなければ、生き物は生きることが出来ない。特に植物には3栄養素の一つである。これを食べてはならないと言うなら、是非やってみたらいい。直ちに健康を害するだろう。
農の会では放射能の測定に様々なものを出して来た。報告書には放射性カリウムの存在が記載されている。最初はその意味が良く分からなかった。土壌分析であるまいし、窒素、リン酸、カリと言うはずがない。それでカリウムについて調べた。初めて知ることが色々あった。カリウムはむしろ不足しないように、食生活で気をつけるはずの物質であった。ヒジキなど海草を食べる良さである。江戸時代の畑では、海草を相当畑に入れたらしい。日本の土壌は通常カリ不足が指摘される。だから、カリウムを補う為に何を入れて行くかは、一つの課題であった。草木灰、鶏糞。それがいつの間にか、カリウムが放射能を出すから、カリウムを含んだい堆肥を入れるのはおかしい。こういう説を主張する人が現れた。窒素、リン、カリウム、カルシウム、酸素、水素、炭素、マグネシウム、イオウ、鉄、マンガン、ホウ素、亜鉛、モリブデン、銅、塩素。以上の元素は必須元素と呼ばれる。これら16の元素はそのうち一つでも欠けると植物体の生長しない。高校生の時に、ピンクフォックスフェカメグと言って覚えた。
海老名の牛乳でセシュウムが3,7ベクレル検出された。これを問題にして居る記事を見かける。わずかでも出れば、放射能が危ないで戦々恐々としている。3,7ベクレルの意味が把握されないまま、放射能の危険で思考停止状態。小田原で暮らしてゆく以上、受け入れるしかないことである。原子爆弾の実験が繰り返し行われた50年代60年代に成長した人間として、間違いなく微量の放射能を食べ続け育った。だから大丈夫ではない。それでガンになり死んだ者もいるだろう。しかし、この世に生きると言うことは、そういうことなのだ。リスクは減らさなければならない。しかし、減らせないリスクは受け入れるしかない。そして一旦受け入れたら、有難くいただくことだ。不安のまま牛乳を飲むことは身体に悪いし、母牛に対して失礼なことだ。
放射能の不安は、どうも生きる不安に見えてきた。現代の行き詰まった社会への不安が、放射能と言う具体的な事物に集約されてゆく。問題は放射能だけではないようだ。自分がどのように生きるかが、問われている。私自身で言えばここまで来て、目標にする自己に少しでも近づけたか。今までの生き方のどこが間違っていたのか。まだ間に合うのか。私が良い絵としてきたものは、この転換期に意味があるものだったのか。外部的な障害のない場所で、自己の目標に近づいてゆけるならば、それはその方がいい。結局は青い鳥である。今暮らしている、問題多きこの場所で踏ん張り、少しでも良くして行く。私はそうあろうと少しづつ思い始めている。小田原の玄米は放射能不検出であった。と言ってもセシューム40ベクレル以下を不検出としている。カリウムの放射能を問題にする人まで居る状況である。3,7でも問題ありとする人も無数に居る。この曖昧な放射能測定は、止むえない処置なのかもしれない。