堆肥の実証圃場
大きい写真が段ボールコンポスト生ごみ堆肥の5トン区の写真である。
小さい写真はクリックすると大きくなるが、
左が、報徳小堆肥5トン区
右が農協の牛フンたい肥5トン区である。
この結果を簡単には判断はしないが、段ボールコンポスト堆肥が使えるということはわかる。1反に5トンたい肥を入れた場合の、実証実験を行った。結果があまりに明快すぎて、これを結論にするのはいかにもためらいがある。農業の実験は、様々なやり方が想定できる。今回の圃場は土壌がとても悪かった。無肥料区はほとんど枯れてしまった。その中で、ある程度できた畑は報徳小学校の生ごみ乾燥肥料の10トン区と段ボールコンポストの5トン区である。同じ苗が植えられている、田中農園と笹村農鶏園の苗は、もう少し良く出来ている。それでも今年は珍しく寒風と乾燥で生育は少し悪い。良くできた土壌でも、生育が悪い位だから、まだ畑の土壌に成っていないところで良い生育をする訳が無い。それでも作物が育ってしまうのは、肥料という即効的なものの効果である。堆肥に存在する微生物が介在してというより、直接的な成分としての、窒素、リン酸、カリである。
ここまでの手順を再度記録しておくと。10月18日に畑をユンボを使っての開墾。畑の状態は建設残土に近い状態。コンクリート片や大きな石、ガラスや瓦やタイルが相当量混入の状態。20日にトラックタ―で耕運。やはり大量の石が出る。25日に堆肥を投入し、管理機で耕し混ぜる。相変らす大きな石が出てくる。11月9日に菜花を植え付ける。菜花の苗は田中さんが準備してくれる。写真は11日に撮影したもの。基本的な土壌は無肥料状態の残土と考えていい。普通なら畑にはしない土壌である。堆肥を投入し、2週間置いて、菜花の苗の植え付けを行った。土壌はある程度の湿り気があった。植え付け後は水を与え、藁で根もとを覆った。
笹村農鶏園の菜花は何度か食べたが、とてもさわやかな春の味がしている。花粉症が聞こえてきたら、菜花である。毒を以て毒を制す。良くできた菜花の花茎はアスパラガスのような味わい深いものがある。もちろんわざわざ栽培しないでも、鶏の緑餌のカラシナのつぼみを毎年食べる。今年は、このカラシナが遅れている。一度目が早く発芽してしまい、虫にすっかりやられたことが影響している。いつもの年であれば、今頃は一面の緑が濃くなり始めている。今年は追い蒔きしたカラシナが寒さに耐えている。作物は全体に生育が悪いようだ。
今回の実証実験は様々に不備な気がしている。科学的側面の実験としては、要素が限定されていたという意味で、参考に成るところはあった。いわば土壌が意味しないということでだ。堆肥の実験は土壌が良い圃場でやりたい。そうでないと、堆肥の持つ力のうち、肥料的な効果だけが際立ってしまうようだ。土壌に微生物が潜在しているような畑では、少量の堆肥であっても微生物が堆肥の刺激で、動き始める。微生物が介在して作物の持つ生育力が発揮される。しかし、微生物の居ない圃場での堆肥となると、その成分的効果が優先されてしまう。今後の課題として、トンプン堆肥(こぶた畑)、鶏糞堆肥(笹村農鶏園)、段ボールコンポスト(小田原生ごみプロジェクト)、二見すこやか堆肥、報徳農場堆肥、剪定チップ堆肥、EM堆肥。無施肥。この違いが特徴が明確に出る実験をしてみたい。