麹の簡単作り

      2016/04/05

味噌の麹を仕込んだ。中原さんの所でやらせてもらった。農の会全体の麹作りを行う23日、山梨市の公開セミナーに行くので、19日の中原家の仕込みに加えてもらった。2時間で10キロのお米の麹を作った。お米は五分づきである。今年の新米だから少しもったいない気もしたが、今年は欠ノ上田んぼのお米がもらえたので、ふんだんに新米を使っている。味噌作りに関しては何度も書いている。年々規模が拡大し、しかも内容が充実してきている。大豆の種まきから、みそ料理を食べるまでの全体を通して、様々にかかわる人が居る。どの段階どのレベルでもその人の状況でかかわれることに成っている。種だけ蒔いてみる人もいるようだし、せっかく大豆を育てたのだが、味噌は食べないのでやらないという人も居るようだ。もちろん味噌だけは作りたいと言う人が多い。ことしも醤油もやりたいと言う人が居ればやるつもりだ。農の会がやりたいという思いが実現する場でありたい。

麹の作り方も随分進化してきた。少しづつ改善されて、今やっているやり方は自給の麹作りとしては、それなりに公表できるレベルだと思うので、少しまとめて見る。この麹で味噌も作るし、甘酒も、どぶろくも作る。時間については、10時間に区切った方が分かりやすいので、統一してしまった。「米袋麹作り」である。特徴は家庭でも雑菌が入りにくい。扱いが簡単である。運搬などに都合が良い。湿度管理、温度管理が楽、等である。今朝5時の時点で手入れ仕舞いである。なかなか良く出来ている。

1、お米の準備(10キロの場合を以下想定)
お米は、さなご(くず米)でもいいし、古米でもできる。玄米でもいいし、白米でもいい。私は5分づきにした。玄米でやりたい気持ちもあるが、手間暇を考えると、少し削るだけで、とてもやりやすくなるので、5分づきである。麹の味が違うかというと、味噌に成ってしまえばたいして変わるものではない。お米は冬なら、麹は大抵は冬に作るのだが、20時間水に漬ける。それ以上漬けたいなら、途中で水を変えてやらないと、臭いがつくことがある。そして、水を良く良く切る。2時間以上である。大量にやるなら、中にタオルを入れて水を取る。乾いていないと蒸しがカラッとあがらない。これはコツ。

2、お米の蒸し
蒸しは出来る限り高温で行う。1時間以上はやる。長時間に成るので、途中でのお湯の補給はやりづらいので、せいろを載せるときに釜の水を満杯にしておく、葉釜の場合、水がつばより下で炊くと釜が痛む。今回は5キロづつ二せいろでやった。長すぎるのは問題が無い。蒸し上がりを確認するには、熱い中、食べて見て芯が無い状態を覚える。分からなかったら長くやる。

3、麹菌の播種 ――床もみ――ここがスタート時間となる。例えば19日12時とする。
手は米ぬかで洗い、匂いが移るので石鹸では洗わない。新聞紙を3日分ほどB全紙にひろげて、その上に毛布を引く。さらにその上に白い木綿の清潔な布を広げる。大きい方がやりやすい。蒸し上がったお米をせいろをひっくり返すように広げる。ステンレスのボールに一部のお米を取り分け、先に温度を下げる。お米は広げて乾かしてパラパラな状態にする。粒が粘つかないことが大切。少しさめてきたら、手で広げながら小さな塊もないようにほぐしてゆく。40度以下に成るまで繰り返す。取り分けたボールのお米は先に冷えているので、ここに麹菌を入れる。麹菌は案外広がりにくく、一部で固まるので、まず少ないお米にくっつけて、40度以下になった全体にまんべんなく播種する。取り分けたお米に麹菌を良く混ぜて散らしてゆく。まんべんなく回るようにする。全体に十分にすりこむ感じで、お米に力を入れて練り込むことが「床もみ」。練っても乾いたお米がぱらぱらであることが理想である。麹菌がお米の芯まで摺り込まれる感じで。

4、麹菌を育てる。――もみ上げ――10時間 19日12時に行い22時までの状態
白い布からお米を米袋に入れる。米袋にじかに入れてしまう。米袋の底に塊にして置く。新聞紙でくるみ、毛布でさらにくるむ。麹を植えたお米の塊をそのまま保温する。お米の品温(麹の温度の事)が30度程度に成るように加温する。ホットカーペット、電気毛布、床暖房、炬燵、カイロ、湯たんぽ。何でも構わない。

5、――切り返し――10時間 19日22時に行い20日8時まで
10時間すると菌が回ってくる。米袋を上下左右にしながらお米をほぐし、再度塊にして、菌の回りを進める。酸素はこの段階ではさして要らない。米袋は酸素を補給できる。全体が安定して30度から35度の間に収まるように上下を変えたり、調整をする。

6、――盛り――10時間 20日8時に行い18時まで
さらに10時間すると麹の甘ズッパイ香りが充満してくる。ここで、お米をパラパラに充分ほぐし、米袋の中で平らにする。米袋のふたも開ける。このころから徐々に自温を発するようになるので、上昇に注意する。品温35度。品温はお風呂の温度を思い出しながら、手で覚える。段ボールで、米袋を切り開いた大きさの炬燵状の箱を作リかぶせる。温度管理が楽になる。これでお米から発する湿度で丁度良くなる。床までぐっしょりになるので、米袋の下にビニールを引いておく。

7、はな道を作る。――手入れ――10時間 20日18時に行い21日4時まで
さらに10時間したら、米袋を切り開きお米一面に広げての表面積を大きくする。麹菌は酸素を必要としている。畑の畝のように溝を作ってやる。広げるので湿度不足に注意。箱の中がじっとりしたほどの湿度がある方が良い。乾いているようなら、お湯の霧を吹きかける。この時点の品温は35度前後。麹菌が熱を発するので、油断すると、40度を越えてしまう。

8、――手入れ仕舞い――10時間 21日4時に行い21日14時まで
さらに10時間たったら、保温の段階が終わる。この10時間も温度の上がり過ぎに要注意。ここで麹は育成は完成に成る。上手く出来ていると、お米の芯の方まで、菌糸が回っている。表面にしか付いていなくても失敗していることは少ない。案外に利用できる。仕舞を伸ばし、水分補給をして、もう10時間延ばして一サイクル伸ばす事もできる。この段階では保温をしていないので、徐々に温度が下がってくる。ここでも上がり過ぎは良くない。

9、――出麹――10時間 21日14時に行い翌日22日に保存
いよいよ最終段階で、麹を乾燥冷却する。麹をさらに広げて、冷却する。完全麹の動きが終わったところで、ビニール袋に入れて、酸素を止めて、冷暗所に使うまで保存する。

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