岡崎おうはんの特性
岡崎おうはんを飼い始めて、2年が経つ。「岡崎おうはん振興協議会」事務局というところから、アンケート依頼が来た。独立行政法人と書いてある。公的な性格があるので、資料を作る必要があるのだろう。こういうことが度重なる。基本的には、依頼の目的と結果の報告について明確でないものアンケートには回答しない事を貫いている。どうせ、自分たちの都合よくまとめて終わりと思うからだ。岡崎おうはんがどういう鶏なのかを一番知りたいのは、飼ってみている私だ。私の飼育方法がこの鶏にどうだったのかは、常に反省がある。アンケートを読んでもそういう視点が充分にあるとは思えない。この鶏にはどういう餌が良いのか。この鶏の特徴はどういうものなのか。今後の方向はどうあればいいか。もちろん作出者はそういうことを考えてはいるだろう。しかし、これからの養鶏がどうあるべきかまでは見えていないのではないか。
とつべこべ言いながら、その旨をメールで送った。早速返信があった。相変わらず肝心な、こちら側のことは少しも見えていない。そのメールをここに載せるのも良いのだが、さすがに失礼なので要点を書けば、自分たちの目的が詳しく書かれている。国産鶏作出の意義など書かれている。しかし、そのこととアンケートに答える側への配慮とは問題が違う。回答する側へのフィードバックには相変わらず触れていない。国産の鶏を作出することは、重要なことだ。笹村農鶏園でもやっているのだから、良く分かっている。家畜改良センターでの努力を高く評価している。この鶏を知ったのは現代農業の記事であった。定期購読している甲斐がある。記事には満点の鶏だという、コマーシャル鶏の営業のような説明だった。そんな訳は無いと思いながらも。卵肉兼用の国産鶏開発という意図は評価できるので、取り寄せて飼ってみた。確かに特徴のある鶏であった。
まず美しい鶏である。横班が特徴的だ。ばらつきも少なく見事なものだ。おとなしくて飼いやすい鶏である。大きさについてはかなりばらつきがある。飼育の方法にもよるかもしれない。少し大人しすぎて、笹鶏に追いやられてしまう傾向があった。他の鶏を追い回したり、つつくようなことは皆無である。自然養鶏的には少し、弱い鶏という印象もある。運動量が少なく、余り床をひっかきまわすようなことがない。じっとしている場面が多い。餌を与えても、猛烈に取りあうという感じではない。就巣性はほぼない。この点は一般的には評価が出来るだろうが、私の育種の方向ではない。何でも食べるようだ。食べる量も際立って多い訳ではないが、少し多い。産卵はそこそこある。しかし、私の飼い方では年300を超えるというようなことは無い。初期の段階では卵のサイズが小さかった。いつまでも小さいので心配があった。その意味で2年たっても卵が大きすぎるということがない。
300日位で肉として出荷できるというが、それでは卵を一番産むときに出荷で、鶏を生かしているとは言えない。鶏種によって、肉の味や、卵の味が変わるという人がいるが、そのようなことは無い。味は餌次第である。岡崎おうはんも卵の味は変わらない。笹村農鶏園では、自家作出の「笹鶏」と「岡崎おうはん」と「ごとうもみじ」を一緒に飼っている。比較をすれば、もみじが一番人懐こい。卵も良く産む。丈夫でもある。しかし、見た目は良くない。美しいのは何と言っても笹鶏である。一番活発なのも笹鶏である。しかし、産卵は少ない。就巣性もある。そして極めて丈夫である。来年こそ笹鶏を孵化しよう。1月になったら準備に入ろう。
昨日の自給作業:ミカンもぎ1時間、その他の作業1時間 累計時間:6時間