名護市議会選挙
名護市議会議員選挙は普天間基地の移設問題の中、昨日投票が行われた。普天間基地の辺野古移設案に、日米合意をしている状況で、どのような市民の判断が出るのか注目していた。受け入れに反対する稲嶺進市長派が16議席を得て過半数を確保し、移設を容認する島袋吉和前市長派の11議席を上回った。もちろんそう単純ではないだろうが。一応の名護市市民の辺野古移設反対の意思は表明された。前回の参議院選挙で、沖縄の投票傾向による沖縄の態度表明に対して、様々な失望の意見が出ていた。沖縄の怒りはどこに行ったのだ。沖縄は基地移転に伴う、補助金の継続を願って、態度を保留しているのではないか。こういう声があちこちで書かれていた。とんでもない偏見である。迷惑をかけている本土の人間から、こんな言葉が出るのでは許せない思いだった。こんな見方が何重もの差別の構造を産んでいる。
名護市は6万余りの町である。27名の市議会の定員。ここで行われる選挙。今までは、12名が基地受容認。12名が基地移転反対派。3名が中間派。割り切ればこういうことだといわれる。12名が17名に変わったのだから、地方選挙の変動としては大きな変動である。やはり沖縄の人の思いは動いている。もちろん単純に反対派が増えたというようなことではないだろうが、大きく見れば基地はもういやだ。こういう気持ちが、なんといってもお金が無ければ暮らせない。こういう気持ちを乗り越え始めている。そう考えていいのではないか。基地を辺野古に移設するかどうか。これを決めるのはそこに暮らしている人だ。第一義的に当事者である。アメリカの意向は2の次、3の次のものだ。日本政府は、日本人が作っているのだから、名護市の市民の願いを無視することだけはやめてもらいたい。
日本で唯一地上戦の行われた島。長い間差別構造の中に置かれた島。戦後もアメリカの統治に組み込まれ、売られた島である。現在も、アメリカの利益のために、犠牲になっている沖縄。いわば日本人は沖縄の犠牲を見ないようにしてきた。そして今のいまも、基地の島として不安の中に暮らしている現実を忘れようとしている。これほどの理不尽は無い。アメリカに帰ってもらう以外にない。どうしてもアメリカの軍事力を必要と考えるなら、最低限でも沖縄偏重を解消するのは、大前提であろう。沖縄返還を、本土の沖縄化だと当時共産党は返還自体を反対した。これは、とことん共産党が許せなくなった。まず、沖縄を返してもらい、日本の主権が及ぶようになれば、基地の縮小を目指す。当時高坂正堯氏が言われたことである。もろくもこの願いを裏切ったのが、日本政府である。そこで密約があろうがあるまいが、返してもらうまでは仕方がない。返してもらえば状況が変わる。所が自民党政権は沖縄の犠牲を、固定した。今度は日本人による、差別が始まった。あれだけ明確に海外移設を主張した、民主党も豹変した。
沖縄はエコランドになる。沖縄の条件なら、東洋のリゾート地として、最適である。歳を取ってから海外に移住する人もいるぐらいだ。沖縄の税制を変える。老齢者の暮らしやすい土地にしたらどうか。企業もエコ関連企業を集中させる。この点でも税制的に誘導できるのではないか。長年本土の人間が迷惑をかけてきたのだ。基地と同居せざる得ない状況を見ないようにしてきた。基地にかけてきた費用を、すべて沖縄エコランド構想にかける。オバマ大統領は、グリンニューディール構想と言っているが。相変わらず経済は低迷している。当然のことだ。アメリカ人の暮らしが肥大化している。これを世界標準に合わせれば、豊かな国であることに変わりは無い。沖縄エコランドは贅沢な年寄りが暮らすのではなく。普通の日本人が暮らせる条件を、作ればいいだけである。人間が普通に幸せに暮らせる地を、沖縄に作ったらどうだろう。