稲直播実験の経過
5月29日の観察。やっと水が溜まって来ている。水位8センチまで来た。稲は水没している。これでしばらく経過を観察する。6日に播種をして2週間で発芽。スズメが食べ始めて、残る稲が少ない。20日に水を入れ始めて、スズメを防ぐ。効果は確かにある。ただし、水を貯めるためには畦際の漏水を止めるのに、時間がかかる。ほぼ1週間で何とか塞ぐ事が出来た。この作業は代かきをしたとしても、いつも繰り返していることなので特別でもない。水を貯めるのは、無理かと思われた状況もあったが、何度も踏み固めて、今は収まっている。水没した稲がどういう変化をするか。興味深い。また、雑草がどう変化するかも観察を続けている。水を入れて以来草は減ってきたように見える。どうなるか。中の田んぼと、下の田んぼの代かきが6月11日ぐらいなので、それまで観察して、その後の対応は判断する。
発芽も良くなかったように思われる。播種機の構造上深蒔きになることが多そうだ。思い切って手蒔きにしてしまうと言うのもある。あるいは覆土だけ手で行なう。播種されていない所もかなりあるので、確認しながら覆土してゆく。後の事が解決がついたら、播種法は工夫しよう。スズメはどうすればいいのだろう。こちらの方が大きな問題かも知れない。スズメの鉄砲に紛れて、人間の目には稲は見えにくい。スズメには分かるようだ。レンゲを繁茂させておいて中に撒くというのもやったが、播種精度が悪すぎた。やはり、動く案山子か。ある程度でいいと考えて、やはり風船案山子にお願いする他無いか。今のところ良さそうに見えるのが、雑草対策。何とかなりそうに見える。これで水没した苗が、伸びてくるのかどうかが問題。そう思ったら、見に行きたくなった。
なるほど、水没していた苗は少し弱ってきたようだ。しかし、枯れるようでもない。水位が上下するから、顔を出す時もあるから、こんな調子なら、もっと早く水を入れたほうが良かった。播種を丁寧に行い、発芽を揃える。発芽が揃えば、早く水を入れられる。水を入れるタイミングが重要。のげをとる作業。浸種から、播種のときの籾の状態。すべてが整えば、そろって出るはず。「これを速度を速め、揃える。」これが重要。水入れ以降は、案外に問題がない。棚田の漏水田でも何とかなる。浅い耕運の方は意外に上手くいった。水温は12度から13度。ともかく冷たい。この冷たい水に水没している。苗が、どうなるのか。考えれば考えるほど心配になるが、実験だと思って我慢しよう。寒風にさらされるよりはましなのかもしれない。5月6日の播種はいいにしても、一気の発芽にしないと、生育が遅れる。やはり、最初の準備をもう少し慎重におこなう。
出来れば、かなりの補植えを行なうにしても、このまま続けてみたい。一つは代かきをしない浅いアラオコシだけの方法の検証。雑草の問題も、経過が見たい。しかし、みんなが納得できるレベルに、雑草が目立たなくなり、稲が残るかが問題。現在ある雑草はスズメの鉄砲とスギナ。水田雑草はこれからが勝負。田んぼのみんなには申し訳が無いが、とても面白い。収量が下がらないように、頑張ること。機械を最小限しか使わない農法。これも自給農業では大事だ。本当は浅いアラオコシもしないで、種が撒ければ、トラックターの出番はなくなる。秋起こしもしないで、緑肥が上手く繁茂するかどうか。この点も課題になってくる。クリムソンクローバーの稲刈り前播種。これもこの秋の課題。苗床の苗は良くなってきている。あと2週間すれば、植え頃になるだろう。こっちが安心状態だから、保険が利いている。