ギリシャの経済危機
ギリシャの財政悪化で、ユーロ全体の経済危機状況が見えてきた。これは突然最近起こったことでことではない。リーマン破綻以来何も改善されていない、ヨーロッパの銀行の財務悪化状況が遠因。ギリシャの国債はユーロ圏の銀行が7割購入している。ギリシャでも昨年10月、左派の新政権ができた。その結果前政権による、ギリシャ政府がまるで粉飾決算をしていたようなことが露呈した。国債の金利が急上昇した。国家破綻まで予想させ慌てた。ギリシャ政府が経済立て直しを根本から行う事を国会で決めた。公務員の給与・賞与の大幅カット、公的年金水準の凍結、消費税の19%から21%への引き上げ、ガソリン・タバコ・アルコールの税率引き上げなど。公務員所得が33%というから暴動的に反応する。ユーロ諸国が13兆円という巨額の出資を行うと言う事で、当面の危機を乗り切ろうとしている。どうも、財政破綻は日本だけでも、無いようだ。
日本の政府債務残高は来年3月末の時点でGDPの2倍に達する。国民全員が2年間飲まず食わずで働かなければ返せない。ギリシャの比率は124%にすぎない。日本国の借金は882兆円となった。10年度はついに100兆円に迫る状況である。よく言われるのが、国民が国家に貸しているのだから、いわば貯金のようなもので、大丈夫という考え方がある。また、政府の債務と成ると、様々な分析がでてきて、破綻寸前から、問題なしまで色々の角度から裏付ける数字が表れる。それでよく分からなくされてしまう。しかし、どのように解説する人でも、今の政府の経済政策をいい方向であるとは、誰も言わない。景気をよくすれば借金が減る。消費税を上げて税収を増やせ。公共投資はやめろ。もっとやれ。公務員給与を下げろ、上げろ。法人税を上げろ。下げろ。特殊法人、独立行政法人を止めろ。郵政を民営化しろ。元に戻せ。
百家争鳴で、何が正しい方角か見えにくい。分かるのは、鳩山政府のやり方はだめだという所で、共鳴している点。ギリシャ以上の危機なのだから、ギリシャ政府以上の緊縮財政を行うべきだ。これが正論だと思う。まず、政府及び公的機関の徹底的な縮小。公的無駄遣いの根絶。公務員の削減、給与の引き下げ。特殊法人等の廃止。公的業務のできる限りの民営化。その上でのあらゆる場面での増税。国民各層が等しく我慢しなければならない。我慢するのだから、格差を無くす。格差があったのでは、国としての我慢はできない。どこかで誰かが、甘い汁をむさぼっているのでは、耐えがたきを耐えられない。コンクリートから人へばら撒くな。これが一番である。農家にならばら撒いていい訳がない。今民主党政権がやっていうのは、税金を使って、票を買っている。子供手当て、高校無償化。農家戸別補償。買収容疑ではないか。
そう遠くない内に、一段とヨーロッパでは経済破綻が表面化する。しかし、ヨーロッパは蓄積が深い。植民地からの収奪の蓄積だけでも、まだまだある。切り詰めさえすれば、充分に乗り切れる。ユーロが行き詰っても、健全な国家が沢山存在し、充分の力がある。ギリシャの為に、各国が財政支出を出来るかどうか。ユーロが1国家になれるかどうかの瀬戸際なのだろう。ヨーロッパ各国間でも、ついこの前まで戦争ばかりしてきた。日本もアジア経済圏を目指すべきだ。その中で日本経済を考えるべきだ。そうすることが日本の安全保障でもある。長州と薩摩で戦争したことだってある。沖縄に対して、国民等しく懺悔しなければ、ならない状況であるとしても、沖縄と本土が戦争にはならない。世界中の人間が争わない社会を作るためには、経済的関係を深める事は大切である。