勝間和代メモ

   

勝間和代さんという人が、話題である。話題と言うどころか、ブームである。日経新聞によく出ている。最近で話題なのは香山リカさんとの、論争らしい。香山氏がどんな人かも良く知らないが、精神科の女医さんらしい。『しがみつかない生き方』という最新刊が、「勝間和代を目指さない。」と帯に大きく書かれている。上手い宣伝である。この帯びはその後変わったらしいが。こんな形で売り出してゆく姿が、今までにない形に見える。勝間和代は一つの現象である。最初に勝間氏に気が付いたのは、「ママチャリでなく、TREKのロードバイクでテレビ局からテレビ局を移動している。」と言う話である。ポルシェとか、フェラーリではなく。ロードバイクと言う所が、「カツマー」と言う信者のトレンドという物か。と感心したのである。『金融で未来を変えよう』と日経紙では主張している。竹中平蔵の女性版で、新資本主義の家庭サイズのような人と言えばわかりやすいのか。「やれば出来るゼミ」「すぐれた才能ある人たちと一緒に楽しく成長するための4つのポイント」

つかみが実に上手い。コピーライター的である。頭がすばやい感じがする。この人に気付いた時期は世間より遅いのだろうが、今の社会を考える上で重要だと、最初から感じた。そう感じさせる演出がされていた。勝間和代のクロストークというものがあって、テーマごとに自分の考えを示し、それに対して出てくる意見に対し、仕分けをする。その切り口が、なかなか面白い。頑張る派の代表として意見をだす。金融で大損をした。と言う切り口での質問に、まず、「大変な損」のレベルを知りたいですね。と切り返す感覚。そして、トータルでは20%以内のマイナスで、ポートフォリオとしては収まっているはずです。と言う事になる。なんだか損が損でないことになる。ここから投資という物と、投機という物の違いなどが、解説される。何やかやと金儲けの頑張り方の解説者である。「物欲をかっこよく見せよう。銭ゲバをおしゃれに見せる」、社会が求める象徴。

そういえば、数日前のことだが、「カツマさん、垢抜けてきたよねぇ」と喫茶店で女性たちが話題にしていた。主婦ともOLとも断じがたいいでたちの彼女たちが口々にする、ドン小西ふうのファッションチェックには、前はイケテないグループにいたのにねぇというビミョーなトゲが感じられた。ーーここは朝山実氏の書評引用。到底わからない感覚なので引用させてもらった。さらに、
うすうす気付いても、一度目指した勝間和代という山を、途中で下山するのは容易ではない。努力が足りないのではない。わたしが悪いんじゃない。登りきれない理由を見極めて、すっきりしたい。香山さんは、そんな「カツマー」たちの救いとなろうとする。ーーこれも朝山実氏の書評引用。
引用を繰り返したのは、こういうイメージがこの時代の一つの本音の流れとしてある。結局、自己啓発セミナーの講師である。そしてこういう流れは、農の世界にも反映している。

若い女優さんが農業をしている姿が、よくテレビでは放映される。農業の現実の方は少しも変わっていないが、それを取り巻く見方の方は、大きく様変わりしている。農業と自己啓発とは少しも関係がないのだが、イメージの方はどうもそういう扱いのように見える。勝間氏の主張はどこまでも方法論である。勝間和代の『誰でも出来る』日本支配計画のなかでは、農業もお薦めとかかれているらしい。が、お薦めのわけがない。農業には経済評論家がお薦めするよな要素はない。ところが、和牛商法ではないが農業にそういう目を向ける向きもある。百姓的でない頭で頑張れば、カツマー的手法で頑張れば、何とかなるなど思わないほうが良い。農業を取り巻く状況では、国際競争力のある農産物、果物を作ればいい。と言うような訳にはいかない。特殊解を求める世界ではない。投資は要領の良いやつが勝、賭博だ。農業は全員の問題なのだ。

昨日の自給作業:撒きストーブの煙突つくり1時間 累計時間:4時間

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