鶏糞堆肥
毎年寒い時期に田んぼに養鶏場から、床を崩して運んで撒く。これを鶏糞堆肥と呼んでいいのか、鶏糞と呼んでいいのか、その辺はわからないが、田んぼの緑肥に肥料をやる。そういう感じで鶏糞を撒く。反辺り、10袋ぐらいであろう。150キロから200キロぐらいと言う事になる。きのうは新しく始める、欠の上の田んぼで鶏糞撒きの作業を行った。7人で、鶏糞取りから、撒き終るまでの作業で2時間30分ぐらいだった。近いので、作業がスムーズに行く。地域循環である。これはもう20年続けている作業である。田んぼも有機農業と言っても無肥料栽培から、有機肥料を大量に投入するやり方まで多様だ。有機農業でも肥料計算で、窒素量を計算して、何キロ窒素が要るから、含有窒素量を計算して、3%なら何トンになる。と言うような考えである。お米を1反600キロ収穫するのだから、その分は肥料を入れないとならないと言う考え方、近代農学の思想がある。
一方、まったく肥料を入れない農法が成立している事実がある。土の力でお米を収穫する。福岡正信氏はそのやり方で、継続して600キロ収穫した。土が良くなれば、ここが難しいのだが、お米は肥料で取るわけではないというのも、事実だ。自然農法を長年続ける人が、結局は無肥料的栽培に進むのには、それなりの根拠があるはずだ。入れた窒素がお米になる訳ではない事だけは、正確に押さえなくてはならない。そこで、堆肥という物を考えた時に肥料成分と言う考え方は、一見農業技術的分析値ではあるが、気をつける必要がある。あくまで堆肥の役割は土壌を作ると言う事になる。いい土壌を作るためには、一番は腐食物質の増加と考える。落ち葉や草が沢山入る事である。これには入れすぎはない程である。運んで入れるのだから、できる限り入れるという考えでいい。
落ち葉や草を完熟堆肥にして、田んぼに入れるなら、畑でもそうだが、反4トン入れてもまったく問題がない。緑肥も同じことで、入れすぎはない。三年積んで入れるという畝取りの自然農法の人がいたが、農業として考えるとこれは誰にでもできる事ではない。しかし、土づくりというとき、良い土と言う時、この考えはとても重要になる。堆肥には、家畜糞は要らないと言う事はとても重要である。これは経験的にも、長年雑草化した田んぼを、復田すると肥料が要らない。しばらくは良く取れる。これは農家の方が口をそろえる所だ。腐食が土の財産として、大量に入っているからだ。これが耕作を繰り返し、使われてゆく。腐食は耕がやすことで消費されてゆく。だから、稲藁を田んぼに戻すのは一つの考えである。しかし、これは除草剤で雑草を対策する場合で、稲藁は雑草を呼ぶ可能性が高い。稲藁は畑で利用し、田んぼには他の腐食を入れることが必要だと考える。それが、堆肥だ。
堆肥は本来、落ち葉か草堆肥がいい。しかし、それは現実には大した量にはならない。時間もかかりすぎる。そこで、養鶏場に草をできる限りいれる。鶏を草食にする。養鶏場に藁やら、落ち葉を入れる。そうして、養鶏場を堆肥場にする。もちろんエサも余計なものを入れない。地域のものに限る。そうして、養鶏場で田んぼや畑に入れる堆肥を作る。100羽の鶏で、1ヘクタールがまかなえる。100羽の鶏は毎日20キロ食べる。飼料は好気発酵したものと、嫌気発酵したものとを与える。年7トン食べる。大雑把だが1トンの糞になる。そこに出来る限りの落ち葉や藁を入れてゆく。鶏舎が堆肥場となる。地域でのエサを食品廃棄物から見つけて、発酵して鶏の餌にして与える。そこで出来た堆肥を田んぼや畑に入れて行く。畜産を上手く、地域の循環に加えること。これが無いと地域循環が滞ることになる。
昨日の自給作業:鶏糞撒き2時間 累計時間:2時間