エコプロダクツ2009
美しい久野里地里山協議会が、エコプロダクツにブースを借りて、展示を行っている。木、金、土の3日間だ。午後から当番で、東京ビックサイトまで出かけた。ビックサイトは今回が3回目となる。前はそれほど感じなかったのだが、違和感に大きなものがあった。新橋駅で、ユリカモメという、モノレールに乗り換える。新橋の酔っ払いの取材が良く行われる、SL広場の方なら人ごみでもしっくり行くのだが、ユリカモメ駅に入ったあたりから、違和感が強くなる。多分、未来都市的な様相が始まって自分の位置が分かりづらくなったのだろう。ユリカモメに乗ると、汐留、竹芝、日の出とっても懐かしい地名が続く。大島や、房総に行く時にはここから船に乗った。しかし、全く違う場所だ。海だったはずが、運河沿いの町になっている。もうユリカモメの上で、辺りをきょろきょろ見回して、空中を登って行く不思議な感触を充分味わった。回りの皆さん歓声も上げず外も見ず、静かに座っていた。
お台場があれかと思うと唯一緑が見える。島だったはずが、地続きである。そして高層マンションが乱立している。住んでいるのだ。小中学校が見える。本当に人間がここでも暮らしているらしい。全員がビックサイトで降りるのかと思いきや、結構の乗り降りがある。ついた頃にはフラフラになっていた。以前来た時はこんなに違和感はなかった。新しいものに対する拒否反応が強まったようだ。これが歳をとると言う事だろう。このコンクリートの人工島で育つ人間にとっては、ここがふるさとであり、一番しっくりする場所だろう。新緑を見ると吐きそうになる、のかもしれない。そして、この未来的デザインはすぐに古くなり、最も見苦しい位置付けになりそうだ。自分達のブースに行く前にぐるっと回る時間を取ってきたにもかかわらず、その余裕はなかった。人ごみと大企業のブースの照明の明るさ。そして自動車ショーのようなコンパニオンガールの存在。ここではエコがどう扱われているのか、見なくても分かった。
到着すると、先ず私の描いた横断幕。隅の一角で異彩を放っている。そして、タケさんが、熱心に説明をされていた。ブースを見て少しホッとする。なかなか久野らしく良く出来ている。「もりのなかま」の展示物が、とってもいい。素朴だが、この新奇をてらう空間でも、立派な完成度を持っている。自然という物を充分に知り、生かした、デザイン力。自然の力量のすごさを再確認する。一休みしてから、グルーと回ってみたが、予測の範囲。ビックリしたのは、岩越さんが手作りした、田んぼの草取り機と同じものが、製品化されていた。そして青森のトキワ養鶏の卵。思わず、色々質問攻めにしてしまったが、何も知らない人しかいなかった。そして茂木町の棚田のグループ、来年の稲刈りまでスケジュールがあって、既に7000円で参加者募集をしていた。新潟の魚沼の池谷・入山集落のお米の試食。『集落の灯は消さない。』とあった。
ブースで当番をしていると、知った人が見える。ああエコと成ると、同類の世界になるなと、確認。エコじゃないエコプロダクツの中で、美しい久野は何を伝えているのか。自己確認であろうと考えた。この全くの違和感の中で、久野という、美くしい里地里山の位置づけを、ここに暮すものが再認識してゆくこと。青い鳥プロジェクト。故郷として大切であるし、日本のモデル地域としての重要性もある。久野のように、エコプロダクツに展示する地域は日本ひろしと言えども唯一である。くたくたに疲れて、6時の終わりが来る。慌てて帰っても、ユリカモメに人並んでいるので、ビックサイトの地下で、生ビールでご苦労さん、と乾杯。何と美味しい事か。二人で話したことは、久野の昔の話を、沢山聞き取ろう。ということ。来年はここから始める事が、重要じゃないか。大いに盛り上がった。それにしても、タケさんの言われた、縄文と弥生の同居した地域。この発想は面白かった。