蕎麦づくり活動

   

神奈川県主催の「蕎麦作り」が始まった。久野の坊所の坊所川に面した、1反の畑だ。一家族が、10メートル5畝を栽培すると言う。畝巾は60センチほどのようだった。草一本ないように綺麗に耕されていた。準備をされたのは坊所の、里地里山のメンバーの方達だ。どんな風に準備をするのかとても、楽しみだった。みなさん本当の農家の方々だから、さすがに手順がいい。参加者は20家族ぐらいだっただろうか。スタッフの方も、30人近くいた。昨日の炎天下の暑い熱い畑での作業。午前中は9時から開校式などがあって、作業が1時からに設定。熱中症にならなければいいがと、それがちょっと心配だった。1時集まりで、4時から作業ぐらいの方が夏場はいいと思った。暑い中で、15分ほど作業の説明を、県の担当者から聞いてきた。子ども達が大丈夫かとひやひやした。講師は初瀬川さんで、本当のお百姓さんがやる種蒔きです。と言う事で演舞のようで美しかった。

このところ雨が降らないから、土が乾いている。乾いている時の種蒔き方法。さすがに農家の方で、当然のように進めたが、この臨機応変には感心した。先ず畝の中を、しっかりと歩いて溝をつけるように踏み固める。そこにパラパラと種を蒔いてゆく。一畝10メートルで50グラムの種と言う事だった。50グラムづつ、封筒に入っていて5袋が手渡される。1反5キロぐらい蒔くといわれていた。竹の棒が2本と、1メートルの紐が1本各家族に渡される。それを畝にしっかりと張って。子供たちが、その紐を綱渡りにようにいったり来たりする。そして、小さな手でぱらぱらと蒔いていく。中学生だと思って、もっとこう蒔いたほうがいいよ。など言ったら、お母さんで驚いた。きれいに蒔く事は難しいようだ。一度蒔いてしまうと、どこが薄いかがわからない。1週間で発芽するというので、時々見てみるつもりだ。

大勢の応募者の中から、抽選で選ばれた皆さんと言う事だ。そばにいた男の子に、まごのりさんが、どこから来たのか聞いたら、横浜の蓮正寺だ。と元気に答えてくれた。小田原には来たことがあるが、久野は初めてだそうだ。このあと、草取りやら、管理に3回通って、最後に蕎麦打ちとなる。本格的な体験作業でどなたが考えたのか、行政が取り組み企画にしては、農業的に良く出来ている。こうして、都会から来て、本当の農作業をする。必ず将来に繋がる。今回は、行政の方が中心に企画して、坊所の里地里山の方が作業協力する。という形だった。初めての試みだったが、順調な滑り出しである。小田原の農業の未来はここにあると考える。都会には農業希望者が多数存在する。別荘で、農作業するというのが、憧れのような所がある。

坊所の連合自治会長の星野氏は、多分、実質そばの体験の皆さんの「久野の里親さん」に当るのだろう。地域に全てを配慮できる、「農家の里親さん」を募集する。実質作業に当る。NPO法人のような組織を配置する。久野では現在、5団体が存在する。もちろん、地域の方で作業を請け負える方がいたら、むしろ優先的にお願いする。大切なことは、安易な農業体験にしないこと。都会の人に、農業の汗をかいてもらう。汗の結晶を食べてもらう。子どもだからと言って、農作業に当る以上一人前扱いをする。きちっとできなければ、畑に入れない。農家では当たり前の事だ。農業体験を農村の都会へのサービスにはしないこと。お互いに、ありがたい仕組みを作る。「蕎麦、お茶、小麦、田んぼ、大豆、」本格的に取り組める品目だろう。小麦で言えば、パン作り、うどん作り。まで繋げる。蕎麦ができたらば、製粉をすることになるが、これが小田原では出来ない。やはり製粉機が必要になる。

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