農作業の後は温泉で
藤野で新しい試みが起こっている。温泉と遊休農地とJRがタイアップした、企画である。家庭菜園の新しい提案のようだ。小田原こそ、さらに人を惹きつける地域だと思う。
おだわらTRYフォーラムの28番のテーマ「農業を通した都市住民との交流を広げよう」
あしがら農の会はこのことを活動目的の一つとして、立ち上げられたNPO法人です。1993年から、足柄平野一帯では活動をしてきました。現在20数ヘクタールの農地を耕作しています。大豆の会、お茶の会、田んぼの会と大きく三つの活動に分かれております。今年の田植えの参加者の実数は500人に上っています。急速な都市住民の農業への関心は深まってきています。
その体験から、農業交流について、いくつかの提案が出来ます。
1、都市住民に対するコーディネーター制度の創設。
2、里親農家の募集。
3、農業委員会の理解協力の必要性。
〇コーディネーターとは、いわば通訳の役割です。都市住民は農業について全く知りません。知らないと言う事を大前提にしなければなりません。例えば、畦道の管理、水路の管理。車の止め方。挨拶の仕方。道具のこと、管理保管について、地域の慣習。農業技術について。農家にとって農地は、仕事場です。仕事場に遊び感覚の者が紛れ込んでくる混乱、迷惑な側面がある事を、充分認識しなければなりません。こうした案内の役割は、農家の人に出来るものでもありません。適任は新規にこの地域で就農した、元都市住民のなかから、募集することで人材が確保されるでしょう。
〇里親制度とは、農家の本音を伝えてもらい、都市生活にない地域社会というものの窓口になる人です。農の会がここまで活動を広げられてきたのは、間違いなく、地域の農家の里親とも言える方々の存在です。何かがあると相談に乗ってもらっています。4名の方に顧問と言う形で就任してもらっています。農地の紹介を戴いています。農地について言えば、どこでも良いという訳ではありません。都市住民が使える農地は限定されます。都市住民が好み、地域住民や農家の方に迷惑のかからない、農地である必要があります。そうした農地の紹介が出来るのは、土地所有者や地域の事情を深く知る方でなければなりません。例えば、隣の農地の方が、そう言う事が嫌いだ。と言うような事だけで、上手く行かない事もあります。事前の調整など里親の方の存在がなければ不可能です。
〇農業委員会は農家の方が農業全般の調整の為に活動しています。法的な届出や貸借の許可。遊休農地の調査など行っています。活動は基本的に地域の農家の農業の順調な運営のための組織です。大前提として、農業委員会で、都市住民の交流を歓迎してもらわなければ、事業は前進できません。以前、私たちのようなNPO法人の農地利用も、事前の連絡が充分でなかったために、大変混乱をしました。委員の方々一人ひとりに都市住民交流の「迷惑にならない形」を充分時間を掛けて、説明する必要があります。農業委員会に都市住民交流担当をおいていただく必要もあると考えます。
以上の3点を踏まえて、農政課にも担当者を置き窓口とする。担当者から、農業委員の担当者、里親の方、コーディネーターの3者での調整会議を、定期的に開き、課題や諸問題を充分連絡を取りながら解決してゆく必要があるでしょう。
「農作業の後は温泉で」藤野の農作業の後は温泉ですっきり―。JTB関東と相模原市藤野町の市民ボランティア団体が共同で、地元旅館の宿泊がセットとなった市民農園「宿(やど)・借(かり)農園」の入園者の募集を始めた。料金は、1年間の農園使用料(1区画80平方メートル)、種苗代や農機具の使用料、地権者農家による入園者に対する農業指導料、さらに市民農園近くの「藤野やまなみ温泉」入浴券15枚つづりが付いて計7万8千円(税込み)。これに農園から車で30分以内の指定旅館(現在3軒)の宿泊料(1人8千円で15泊分)を加えたモデルプランでは19万8千円(同)となる。