麻生総理の所信表明演説
麻生氏はなかなか話のおもしろい人だ。秦野のJCでの講演会のビデオを見たが、上手い話し手だと感心した。ちょっと裏麻生ファーンになりそうなぐらいであった。座談はさらに上を行くらしい。前回の小沢民主党を挑発した、所信表明はその片鱗はあったと思う。ところが今回の所信表明はなんともさえない、麻生らしさにかけている。いよいよダメかと思わせる空気だが、変じゃないか。「辞めるなよ」の野次が冗談に聞こえなかった。二度あることは三度あるで、又投げ出しになりかねない。と言って大事に扱おうと言う気には、到底成れない。これは国民の暮らしに関わることだ。麻生氏がおかしければ、みんなの明日に大なり小なり影響する。異常な経済情勢には尋常な対策ではだめだとの発言だが。ではどういう対策がいいのかと成ると、具体性がない。
変えると言う事は力説している。(1)世界最高水準の環境技術と社会システムの構築を目指す「低炭素革命」(2)最先端の医療研究の活用や、効率的な医療・介護サービスを実現する「健康長寿」(3)日本らしいソフトパワーをいかす「底力発揮」(日経)――これが麻生さんの変える方向らしい。再生に予算をかけるとは、発言している。国民がなるほど、こんな風に頑張れば、経済が浮揚すると納得した人は居ない。麻生氏が口にする、『低炭素革命』など宙に浮いている。誰がやってもダメなのだから、仕方がないじゃないか。こう言うレベルの受け止めじゃないだろうか。チェーンジの次はチャンスだ。この国を変えるチャンスだ。昔に戻ることはもうない。新しい経済の枠組みが見つかるまで、世界経済は長期低落を続ける。アメリカを中心にした、グローバリズムは崩壊した。中南米ではアメリカ離れ、ユーロ圏でもドル脱却が始まっているらしい。一心同体に見えたイギリスですら、アメリカと距離を置く。金の切れ目が縁の切れ目。
日本はアジア諸国との新しい経済の枠組みを模索すべきだ。これから中国の大混乱が始まる。中国が近代国家としては未熟であるのは、餃子事件でも良く判る。政治指導部が幼稚なのだ。まだ日本政府の方が、少し大人である。ロシアなども序々に成長はしているが、まだまだ人の事までは見えない、中学生くらいか。しかし、ソビエト時代よりは増しになっている。韓国、台湾を見ると、成熟度が相当のレベルに来ている。それは国際的約束を守る。とか、国民が自国の独善に流されない。世論形成が感情的反応だけでなくなる。領土問題などというと、それだけで張り切って、いきり立ってしまうのも同じだ。日本もそうなのだが、アジア各国も付き合えるレベルになってきている。衣食足りて礼節を知る。
新しいアジアの枠組みは、何も経済的ワク組み。つまりユーロのような枠組みでなくてもいい。アジアらしい、文化的な交流のワク組みの構築。互いの不足を支えあえるような、いたわりを基本にした結いとか、頼母子講のような枠組みなど、考えられないものだろうか。話がそれた、麻生氏の所信演説には、具体性がない。消費税の必要性など、国民の一定は認識はしている。もう少し、説得力のある、その先の事が知りたい。消費税を公共投資に回すとか、定額給付金の穴埋めに回す。これではタマッタモノデハない。自民党の玉虫色解決は日本人の知恵ではある。そうして妥協して、何とかバランスを取る。しかし、現状は古い手法の通用しない、尋常でない事態だ。具体色を決める必要がある。座談の名手は、風呂屋や床屋にも居る。何しろ日本国麻生総理大臣なのだ。