自治基本条例の制定

   

神奈川県では自治基本条例を制定した。県レベルでは全国初となる、県政の重要事項に関する県民投票とともに、市町村の県政参加も盛り込まれた。このほか、情報公開条例や県民意見反映手続要綱をはじめとする既存の条例・要綱などを体系化し、それぞれの基本原則や理念を定めた。これは松沢知事の立候補した時のマニュフェストに書かれていた。市においては、川崎市、平塚市、海老名市、大和市がすでに制定している。愛川町など5町でも制定。その他6市が検討をしている。残念ながら、小田原市では制定の検討も始まっていないようだ。南足柄では市民団体が、検討会を続けていると聞いている。小田原でも、市民参加が重要な課題になる中、考えてゆくことは重要であろう。特に地域コミュニティー検討委員会ができ現在、鋭意検討中である。当然、自治基本条例の制定も視野に入れて検討してもらいたいものだ。

自治基本条例と言っても、その内容は様々で、大体の場合は理念規定のように読める。例えば川崎市の条例での市議会議員については――「(議員の責務)第12条 議員は、地域の課題や市民の意見を把握するとともに、市政全体の観点から的確な判断を行うことにより議会が前条第1項の権限を適切に行使できるよう努めます。2 議員は、市民に開かれた議会運営の実現に寄与するための活動を行うよう努めます。」――当然の事が書かれている。どうせ作るなら、もう少し踏み込んだものにする必要がある。自治会の位置づけなども、基本条例の中で決めるべきだろう。当然住民投票に対する、規定なども盛り込まなくてはならない。市民、自治会、協議会、検討委員会、市会議員、市議会、行政、市長。それぞれの役割と責務を明確にする必要がある。

議会の規定も基本条例の中で決めたらどうだろうか。現在議会の議論が形骸化し、低迷しているのは、質問形式が悪い。一問一答方式に変える。質問者も答弁者を指名して、答えさせる。市議会が市政の最高議決機関であり、全てがそこで明らかにされるようなららなければならない。城下町ホールについて、混乱が起きた最大の責任は、この予算が決められた、市議会にある。市議会が充分なチェック機関になっていなかった。後に市民の多数が反対署名するような、問題ある建物に対し充分な把握が出来ないまま、市議会では承認されている。問題があると感じた議員がいたなら、当然市民にその問題を公報してゆく義務が、市会議員にはある。建設が後戻りできない所に来てから、戻る現状に対し市議会はどれほど責任を自覚しているだろうか。

ごみ広域化問題でが、現在では急務の問題である。予算的にも、城下町ホール以上の経費が必要な事業だ。所が、12月議会でこのことを取り上げた議員は佐々木議員1人だ。では自治会ではどうだろうか。現状情報も伝えられていない。火葬場が広域化する問題でも、地元自治会でも充分な情報が伝えられないまま、決定されている。現在、市は検討委員会方式を立ち上げ、諸問題に取り組む姿勢のようだ。これは一歩前進だが、この検討委員会の位置づけを、基本条例で取り決める必要がある。様々な場面で、この人選がどう行われたかが取りざたされている。客観性ある審議が保障されるためには、条例としての取り決めに基づき、審議がされなくてはならないだろう。県が先駆けて、制定した以上小田原市でも、早急に取り組みを始めてもらいたいものだ。

 - Peace Cafe