田んぼが終わった。

   

籾摺りが昨日終わり、ついに今年の稲作も終わった。大きな安堵に包まれている。楽しい稲作だった。今年も学ぶことが沢山あった。発見もいくつかあった。まだ余韻のなかにいて、とても今年の反省という訳ではないが、思い出せることを熱い内に記録しておく。何と言っても、草を生やさなかったこと。今年の一番の目標にしていたことは実現できた。ソバカス抑草の実現、ほぼ想定したとおりに展開した。米ぬかで課題になった、再現性の不安定さが解決できた。1、費用が安い。購入する資材などできるだけ使わない。2、名人の技でなく、誰にでも可能な技術。3、除草剤と同等の効果がある。4、自然循環に則した方法で、継続しても環境を悪化しない。5、田んぼの裏作。これが、10年前に考えた抑草技術の留意点だ。ソバカス抑草は5点においては実現できた方法になった。もちろん全てが解決した訳ではなく、新たな問題に気付いた。

8センチ以上の深水がヒエを抑えることも、確実な技術と言える。緑肥の漉き込みも効果のある技術。浅い代かきや平均の取れた田んぼも抑草には大切な技術。これらを有機的に複合して、草を抑えることが出来る。それは行うべきタイミングが重要に成る。深水について言えば、中干しを一切しないで稲作を行った。かなり勇気が言ったが、中干しをしないと土がゆるくなりすぎる田んぼであることがわかった。根本が弱くなり、倒伏が一部出た。加えて、草丈が高くなる、特に下位分節が伸びる原因にもなったようだ。まだ問題がある。水面を覆い続けることで、水温が上がらない為か、分結が不足する。水面を覆ったのは、田植え一ヶ月後からは浮き草だ。分節が伸びる問題は、来年は品種を変える。サトジマンにすることにした。背丈が伸びたのは、品種が交雑したことの影響が強いと思われるからだ。

分結の不足は水温の低さによる、谷戸田の宿命のようにある。ただし、畦からの水漏れも相変わらずだったので、必ずしも原因は特定できない。後半分結を追い上げる時期に、水面が浮き草に覆われると言うのは、やはり問題かも知れない。これも来年の課題になる。中干しを入れる時期を、工夫する。ともかく草は全く無かった。これはまさに、除草技術と言った方がいいような、不思議な状態だった。そうした全ての総合的な結果が、粒張りの悪さに現れている。くず米が多かった。トロトロ層というものが、初めてよくわかった。微生物が形成すると言うのも、良く確認できた。ミジンコやイトミミズの発生のすごさは今までにないことだった。当然トロトロも抑草に役立っているだろうが、何かマイナス点も感じた。

くず米のぞくと、昨年の収量を下回った。今年は7俵丁度だった。悪いわけではない。ほぼ目標は達している。周辺の収量と変わらないものだった。粒張りが悪く、くず米が多いい原因は、良く判っていない。中干しをしなかったことも影響しているかもしれない。この後、すぐ耕して、クリムソンクローバーを蒔きたい。昨年はレンゲが、タコゾウムシとかにやられてほぼ壊滅したことも、その後の田んぼに影響したと思う。クローバーは2回目の経験で前回失敗しているので、心配はあるが、もう一度やって見たい。来年の百姓とはよく言ったもので、来年の事ばかり頭の中に膨らんでくる。百姓も野菜型と、田んぼ型があると思う。私は田んぼ型だ、田んぼは働く時が集中する。しかし、後は頭の中で作っている。

昨日の自給作業:籾摺り5時間 累計時間:32時間

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