ソバカス抑草の経過
ソバカスが草抑えに効果が、どのくらいあるのか。今年も引き続き、真剣に観察を続けている。一喜一憂である。草の状態も様々で、稲に問題がないなら、草は出た方がいいと考えている。コナギの事だ。今日で、水入れ、16日目。田植え2週間。苗代あとの田んぼにおいては、4月から水を張っていた事になる。そばかすが、草を抑える幾つかの要素がある。水面を覆い日照をさえぎる効果がひとつ。ソバカスと呼んでいるのは、その名の方が愛らしいからで、そばの製粉過程で出る、パウダー状のかなり細かな粉の事だ。これは実に軽いもので、水面で簡単に広がり覆ってしまう。20キロ蒔けば、1反は覆う。これをタイミングを計りながら、田植え直後から蒔いて来た。そうだ、2月ごろにも、レンゲで一杯の田んぼ一面に蒔いておいた。そうしたらいくらか、ソバが生えてきたから、そばの種も混ざっている。早く一度撒くのは、田んぼの土が、ソバカス分解に対応しやすくなって欲しいからだ。今までのところ撒いた量は、小麦袋に7分目が30袋。コナギの芽はいくらかあるが、このまま納まれば、このままでもいい程度だ。
もちろん油断は出来ない。晴れそうな時に、水面に何もないのは恐いので、いつでも撒く覚悟だ。では撒いたソバカスはどうなっているか。これが忽ち分解する。この点が米糠との大きな違いだ。米ぬかは分解に時間がかかる。だから水温が上がり始めて急に臭くなったりする。時にはおたまじゃくしの全滅となる。こういう状態では抑草効果は弱い、かも知れないと考えている。抑草効果は実に複合的。例えば、酸素はあるほうがいい。水温は冷たい方がいい。これは溶存酸素量という意味で、両立させないとダメのようだ。よく出るトロトロ層形成の問題。トロトロ層は必ず作らないといけない。これは微生物の働き、ミジンコ。土の性質。代かきの仕方。緑肥の量。それこそ要素は多様で、出来てくる。これが出来てくると、物理的にか、草の種が沈むのかもしれない、草が減る。出た草も何となく元気が出ないで、成長が止まる。そのうち沈み込むのもある。しかし、草が元気がないと言うのは、基本的には稲が元気がないに繋がる。この辺だ。いい土になれば、草にだっていい。何故いい土には草が生えないなどいうのだろうか。
流水効果もある。水が流れている所は草は出にくい。棚田なので、どうしても水漏れが起きる。水漏れの原因は、浅い粗起こしと代かき。これも草抑えにいいと考えてやっている。種が巻き上がらない。代かきが足りなければ水漏れが起きて、干上がる。干上がる回数が増えれば、どうなるか。コナギには関係がないようだが、この先稗が怖い。本当に恐い。だから、しょっちゅう田んぼに行って水漏れをとめる。尻から水は流れ出るほど水は入れる。結局稲は育ちが悪い。それでいい。先ず一ヶ月は育ちが悪くてかまわない。と成ると、晩生でないとまずい。生育期間が取れない。育ちが悪ければ、草もない。今が我慢のしどころ。1ヶ月の辛抱が、いい田んぼに繋がる。
それにしても今年はすごい量のミジンコだ。もう水がミジンコで、濁っている。これは一応いいこととしよう。素晴しいとまで言ってもいいかもしれない。ホウネンえび、巻貝。赤虫のような、イトミミズのような、色々いる。おたまじゃくしは10日目からすごい量になってきた。日に日に目立ってきた。増えてきた。何故抑草が技術にならないか。うっすら見える。複合的というところが、分かればわかるほど、手がかかるのだ。逆の事を、同時に上手く行かそうというのだから、手がかかる。好きでやっているのだから、手がかかるのは結構なのだが、手抜きでも草が出ない。こういう訳にはどうもいかない。ここが困るが、ともかく草が出ない方法はないわけではない。それなら今度はどのくらい手を抜けるか。コッチのほうも考えなくてはならない。出も田んぼにはすぐ行きたくなる。頭に田んぼの事が浮かぶと、書いている今でも、行きたくなる。それほど田んぼは面白い。
昨日の自給作業:草取り2時間 累計時間35時間