新エネルギー対策

   

太陽光発電の推進。福田首相は9日公表した温暖化対策の包括提案で、ドイツから「太陽光発電世界一の座を奪還する」、導入量を20年までに現状の10倍に増やす目標を掲げた。素晴しい事だ。ドイツと較べて、世界一を競争しようという所が、すごい発想だ。現在一家庭が導入するのに、230万円かかっているそうだ。それでも、石油がここまで上がってきたら、充分採算の合うエネルギーになっている。これが、100万円ぐらいで、設置出来るようになれば、かなりの家庭がつけることになるだろう。日本の屋根や壁にはソーラーパネルがあるとなれば、国内発電量と同じになる。日本国内の一戸建ての内500万戸に3kWのシステム(合計容量1500万kW)を設置した場合、1000万kW前後と見積もられる。出力100万kWの発電所10基分以上の出力に相当する。ともかく太陽光発電は馬鹿に成らない発電装置なのだ。問題点は幾つかあるようだが、解決の糸口は見えてきている。

アリゾナ州の電力会社は、Concentrating Solar Power(集光型太陽熱発電設備)を採用し、280メガワット規模の発電施設を州都フェニックスから70マイル南西にあるGila Bend市に建設する。集光型太陽熱発電は、従来の太陽光発電とはことなり、太陽の熱を利用して電力を生成する。パラボリック形状の鏡面より集光された太陽エネルギーが熱伝導流体を利用し蒸気タービンを回転させ発電を行う。現在、地球温暖化で大きな問題となっている二酸化炭素などの温室効果ガスの排出ず、 稼働時には40万トンの削減につながるとしている。太陽光の利用はパネルだけではない。
関西電力とシャープは23日、堺市の臨海地域に世界最大級の太陽光発電所を建設すると発表した。09年に着工し、11年の稼働を目指す。シャープが建設を進めている液晶パネルと太陽電池の新工場の屋根などに18メガワット、隣接する大阪府が所有する埋め立て地に10メガワットの太陽電池パネルを設置し、一体運用する。最大出力は28メガワット(2.8万キロワット)で、年間約1万トンの二酸化炭素削減効果があるという。電力会社はこうした方向に目を向けるべきだ。

ソニーは製造コストの安い新タイプの太陽電池を開発した。原材料にシリコンを使わない。半導体技術の代わりに印刷技術の応用で作れ、製造費が現在普及しているシリコン型の5分の1から10分の1になる見通し。安定性を高め、光を電気に替える変換効率で実用化への目安とされる10%を達成した。技術革新の目覚しい分野だ。より効率的なものへの転換。限界のある材料からの転換など、次々に技術革新がされている。何故か、ソーラー発電には、誤解なのか意図的なのか、1、太陽光発電は、製造~設置・運転~廃棄までのライフサイクル中に投入する以上のエネルギーを発電できない。2、太陽光発電は、温室効果ガス排出量削減に貢献できない。3、太陽光発電は、GHG排出量やエネルギー収支で、既存のどの発電方式にも劣る。4、太陽光発電は、生産に必要なエネルギーやCO2の元を取るのに10年ぐらいかかる。こんな疑問が出る。これは明らかおかしな指摘だ。

新エネルギーという言い方は微妙で、再生可能エネルギー、エコエネルギーと言ったりもするが、言い方次第で原子力発電が、背景に置かれている事を、注意しなくてはならない。太陽光発電の弱点は、産業用電力には難しい所だ。家庭電力が太陽光で満たされてしまった場合。産業用電力の供給をどうするかの問題が残る。工場などでは、一箇所で大量に電力を必要とする。あるいは、大きなビル、事業所、病院などの電力の供給の問題がある。電力も事業であるから、新エネルギーへの転換を、企業の経営として望めない。消費者が居なくなれば、電気事業はなくなる。そのため、次世代エネルギーのイメージの中から、自給エネルギーは取り除きたいと言う事になる。それが、太陽光発電の言われ無き中傷につながっている気がする。私の家で設置して、もう7年以上経つが、あることすら忘れるぐらいだが、電気は自給できている。石油が値上がりして、電力も上がるだろう。230万円の回収年月は早まる。

昨日の自給作業:畦直し、ソバカス撒き1時間 累計時間:34時間

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